世界一3連覇へ死角なし――。そう見えた〝銀河系軍団〟の足元に、見過ごせないひびが浮かび上がっている。ドジャースは2日(日本時間3日)、本拠地ドジャースタジアムでレッドソックスに4―8で敗れ、同カード3連敗でスイープを許した。3連戦の最終戦に臨んだムーキー・ベッツ内野手(33)は4打数無安打。古巣を相手に快音を響かせられず、チームとともに屈辱を味わった。

 それでもドジャースは69勝43敗でナ・リーグ西地区首位を堅持し、2位ダイヤモンドバックスに10ゲーム差をつけている。1日(同2日)にはタイガースから2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたスクバルを獲得。後半戦、そして10月を見据えた補強を着々と進め、戦力面では盤石に映る。

 ただ、その陰に隠れていたウイークポイントがベッツの極度の不振だ。米メディア「カレッジ・スポーツネットワーク」は同日、レッドソックス戦後にドジャースファンの間でベッツへの心配が噴出しているとクローズアップした。

 同メディアによれば、今季は75試合で打率2割2分9厘、13本塁打、36打点、OPS0・685。平均的な打者を「100」とするwRC+も、昨季の自己最低「104」から今季は平均以下の「86」まで落ち込んでいるという。SNS上では「2024年以前とは全く別人だ」と嘆く声が上がり、2032年まで続く超大型契約を不安視するファンも実際に数多く現れている。

 一部では、昨年3月に胃腸の不調で最大約11キロも体重を落としたことを長期低迷の転機とみる向きもある。ベッツ自身はその後に体重を戻したものの、昨季は打率2割5分8厘、OPS0・732とキャリア最低水準に沈んだ。今季はそこから反発するどころか、数字を一段と悪化させている。原因を体調面だけに求めることはできないが、単なる一時的なスランプでは片づけにくい状況だ。

 米スポーツ専門局「ESPN」も同日深夜放送の番組「スポーツセンター」で「ベッツが苦しんでいる」と焦点を当てた。地元ファンだけでなく全米ネットまで異変を取り上げたことで、ドジャースが抱える懸念は一気に表面化した格好だ。

 スクバルを加えた投手陣は10月に向けて確かに厚みを増した。一方で、短期決戦では打線の中核が一つ沈むだけでも命取りになりかねない。かつてMVP級の働きでチームをけん引したベッツが復調できなければ、強大な戦力を誇るドジャースの〝隠れた死角〟は、やがて最大の弱点へと変わる可能性もある。