大魚を逃した末に繰り出した一手は、果たして打線再生の切り札となるのか――。ヤンキースは2日(日本時間3日)、ナショナルズからルイス・ガルシア・ジュニア内野手(26)をトレードで獲得した。
交換要員としてジェイク・バード投手(30)、ヨバンニ・クルーズ投手(26)、ジャック・シーバート投手(24)、ベン・グレイブル投手(24)の4人を放出。今季のガルシアは374打席で打率2割8分3厘、23本塁打、20二塁打、出塁率3割1分3厘、長打率5割6分を記録し、2027年終了まで球団が保有権を持つ。低調な打線へのテコ入れとして、獲得そのものには一定の説得力がある。
ただ、米メディア「ヤードバーカー」は同日、「疑問の残るトレード」と題して補強の〝ちぐはぐさ〟を指摘した。最大の問題は起用法だ。ガルシアは内野の中央を守った経験もあるが、守備面の弱点から今季は一塁へ配置転換されている。
一方のヤンキースには、ベン・ライス捕手(27)とポール・ゴールドシュミット内野手(38)がおり、守備位置が重なる。ガルシアを再び内野の中央へ戻せば守備力低下の懸念が生じ、別の位置で試すにしても確実性はない。
打線の左右のバランスにも引っかかりがある。主力の故障離脱が相次ぐ中、ヤンキースが必要としていたのは右打者の強打者とみられていたが、ガルシアは左打者だ。今季の数字は文句なしでも、すでに左打者が多い打線への上積みとして最適解だったのかは議論が残る。しかも代償には、球団有望株ランキング14位だったシーバートと同25位のグレイブルも含まれた。即戦力と将来性を備えた投手4人を差し出しただけに、起用法が定まらなければ「高い買い物」と映りかねない。
この補強を一層複雑に見せるのが、直前のタリク・スクバル投手(29)争奪戦だ。ヤンキースはタイガースの絶対的エース獲得に向けて真剣に交渉していたことが明らかになったが、1日(日本時間2日)にドジャースが争奪戦を制した。投手と野手で補強対象は異なるとはいえ、世界一を狙うライバルに超大物を奪われた翌日に決めたのが、フィットに疑問符の付く今回の取引だった。
もちろん、ガルシアの長打力が本拠地ヤンキー・スタジアムの右翼席と好相性を示し、打線を救う可能性は十分にある。それでも、ドジャースがスクバルという明確な切り札を加えたのに対し、ヤンキースの新戦力には「どこで、どう使うのか」という根本的な問いが残った。結果で疑念を吹き飛ばせなければ、今夏の補強戦線で両名門の明暗を分けた一手として厳しく検証されることになりそうだ。












