阪神は24日の巨人戦(甲子園)に2―4で痛恨の逆転負けを喫し連勝は2でストップ。真夏の首位攻防第1ラウンドに敗れた虎は、巨人と同率の首位にまたも並ばれた。

 9回二死三塁。カウントは2―2。虎党たちの「あと一人コール」が熱を帯びる剣ヶ峰から、ゲームはあまりにも激しく動いた。完封勝利をほぼ手中にしていた才木だが、ここまで3タコ2三振と沈黙していたGの4番・ダルベックに甘く入ったフォークを捉えられると、白球は虎党の悲鳴を切り裂きながら左中間席へ。1―2とスコアを引っ繰り返された右腕は、表情を歪めながらグラウンド上に崩れ落ちた。

 それでも虎打線はその裏に一死満塁のチャンスをつくると、森下の右犠飛で2―2の同点に追いつく粘りを見せる。なおも二死一、三塁とし打席には千両役者・佐藤。一打サヨナラを願う虎党たちのボルテージは最高潮に達したが、ワンバウンドしたスプリットにバットは空を切った。

 歓声と悲鳴と祈りが交錯した異常な熱戦は延長10回に突入。虎ベンチはマウンドに岩崎を送ったが、百戦錬磨のリリーバーですら熱帯夜のカオスを断ち切ることができなかった。先頭・キャベッジの遊撃内野安打などで一死二塁のピンチを背負うと、ドラ5ルーキー・小浜にプロ1号となる決勝2ランを献上。最後に試合を決めたのは、まさかの伏兵だった。

 試合後の藤川球児監督(46)は「野球をやっていればこういうことはあるけど(才木は)切り替えて、次の登板へ引きずらずにいってほしい。まだまだペナントレースの勝負が、そういう風にさせているのだと思う」と右腕へメッセージを送る。最大の敗因は9イニングで1得点しか挙げることができなかった低調なオフェンスであると指摘し「もう少しタイガースとしては束になってかかっていく攻撃が必要だった。(巨人先発の)ウィットリー投手を攻めていくというかね。また明日からチームがひとつになっていきたい」と振り返った。

 悔やまれるのは6回一死一、二塁と追加点ゲットのチャンスを迎えた場面。打席に入った高寺が右方向への大飛球を打ち上げたが、これを相手右翼・笹原が背走しながらギリギリで好捕。ライトオーバーを確信していた二走・大山は慌てて二塁へ戻ることになったため、三塁へのタッチアップができなかった。

 二死一、二塁とアウトカウントがひとつ増え、次打者の梅野は遊撃への内野安打。大山が冷静に走塁判断し「二死一、三塁」の場面をつくれていれば、ここで貴重な2点目のホームを踏めていた可能性が高い。

 悪夢のような敗戦は終盤だけで生まれたものではない。流れを手放した小さな綻びは最後に大きな代償となって返ってきた。