阪神は21日のDeNA戦(甲子園)で延長11回の末に2―1でサヨナラ勝ちを収め、巨人と並ぶ首位の座をキープした。両軍合計11人もの中継ぎ投手を投入した死闘は、二死二塁から高寺がマークした中越えの適時打で決着した。

 わずかな守備のほころびや紙一重の制球、フェンスギリギリの打球を巡る攻防などで何度もゲームの流れが左右した一戦を、藤川球児監督(46)は「選手、コーチ、スタッフも含めて締まったものを見せてくれた」と劇勝の余韻に浸った。

 敗れるか引き分けに終われば、2位転落となっていた一戦。最多勝&防御率レースでトップを走る無双左腕・高橋、打撃の主要部門で3冠を独占する森下と佐藤らを擁しながらも、首位戦線からは抜け出せていない現実もある。

 球宴を目前にしてももどかしい戦いが続く一因に挙げられるのは、接戦になかなか勝ち切れなかったことだ。この日の試合を含めて1点差ゲームは10勝15敗と大幅な黒星超過。勝率4割は中日の4割7厘(11勝16敗)を下回るセ・リーグ最低の数字だ。昨季と比較して救援陣が不安定だったこともあり、紙一重のゲームで白星を取りこぼすケースが目立っている。

 今季に入ってから藤川監督が繰り返しナインに要求するようになったのは「球際」における強さ。打球や送球への一歩目の反応、捕球や送球の精度など、勝敗を左右する紙一重のプレーで力を発揮できる選手の見極めに重点を置き、一、二軍メンバーの入れ替えや選手起用の試行錯誤を続けてきた。

 試合前時点で月間11勝4敗1分けとセ・リーグで最も勢いに乗っていたDeNAを相手に、まさに「球際」の連続ともいえる接戦を乗り越えた虎将は「勝ち切れること自体がチームの強みなのか、それとも今のチームの流れなのか? どちらなのかを考えながら見ていましたが、どちらとも取れるいい結果にしてくれた」と振り返り「チームが停滞しているわけではない。グラウンド上での一体感もある。それを確認することができた」と語った。

 一進一退の首位攻防が繰り広げられる中、僅差の試合をどれだけものにできるかが、今後の鍵となりそうだ。。