名門の底力は、34年間途切れていない。ヤンキースがまた一つ、異次元の「継続力」を見せつけた。ヤンキースは5日(日本時間6日)、敵地のペトコ・パークでパドレスに5―1で快勝。先発したロドンが5回1失点、7奪三振と好投。打線も2回にベリンジャーの2点適時打などで一挙4点を奪い、主導権を渡さなかった。
この1勝が持つ意味は大きい。米メディア「ヘビー」は同日、ヤンキースが今季81勝目を挙げたことで、1993年から34シーズン連続で勝率5割以上を確定させたと報じた。最後に負け越したのは92年の76勝86敗。優勝争いから遠ざかった年も、世代交代に揺れた年もあった。それでも「負け越さないヤンキース」だけは30年以上、一度も途切れていない。
現状も秋への視界は良好だ。81勝61敗でア・リーグ東地区首位レイズを4ゲーム差で追い、ワイルドカードでは首位をキープ。2番手のレッドソックスには3・5ゲーム差をつけている。地区逆転Vも十分に射程圏で、少なくともポストシーズンへの道は大きく開けている。
しかも、最大の上積みが控える。右肋骨骨折で6月上旬から離脱している主将アーロン・ジャッジ外野手(34)は復帰へ向けて実戦強度を上げており、早ければ8日(同9日)から始まる次回本拠地シリーズ中に戦列へ戻る可能性が浮上。主砲不在でも勝ち続けてきた打線にジャッジまで帰ってくれば、10月の破壊力は一段と増す。
ただし、名門にとって「34年連続5割以上」は勲章であって、最終目的ではない。最後の世界一は2009年。24年のワールドシリーズではドジャースに1勝4敗で屈し、目の前で頂点をさらわれた。
その宿敵は昨季も世界一となり、今季は3連覇を狙う王朝だ。現在もナ・リーグ西地区首位を独走し、Vとポストシーズン進出は濃厚な情勢ながら、夏場には失速。大谷翔平投手(32)も首、右上腕二頭筋、左膝に問題を抱え、3試合連続で先発を外れた。直近13試合は打率1割3分7厘、1本塁打と低迷しており、絶対王者にもスキが見え始めている。
34年間積み上げてきた「負けない歴史」を、今度こそ頂点へつなげられるか。2年ぶりにドジャースとのワールドシリーズへたどり着き、3連覇を阻止して17年ぶりの世界一を奪い返せば、長すぎた空白は最高の雪辱劇に変わる。












