阪神・高橋遥人投手(30)が21日のDeNA戦(横浜)に先発登板し、9回を5安打1四球1失点と抜群の内容で完投。チームを2―1の勝利に導き、ハーラートップを独走する9勝目をマークした。

 今季11試合目の登板にして早くも5度目の完投勝利で、防御率は驚異の1・06。開幕から無傷の9連勝は球団では1964年のバッキー、85年の中田良弘以来となる3人目の快挙となった。

「高橋でしか取れないゲームでしたね。素晴らしかったです」。僅差のゲームを勝ち取った直後の藤川監督の短いコメントからも、左腕への信頼がにじみ出た。球数が100球を超えた9回も迷うことなく高橋の続投を決断。緊迫した1点差の局面でもドリス、岩崎らの救援陣を投入することはなかった。

 この男がいたからこそ、苦しい時期を乗り越えられた。6勝12敗とパ球団を相手に大苦戦した交流戦の影響もあり、6月は6勝8敗と黒星が先行。その6つの勝ち星のうち、3勝が高橋、2勝が村上と左右両輪のエースが何とか奮闘したことが大きい。

 先発陣の〝踏ん張り格差〟は多少気になるところ。だが、石井や近本ら主力選手の負傷離脱などの誤算が相次ぐ中、セ・リーグのディフェンディング王者としてのプライドを見せ、気がつけばこの日の勝利で単独首位に再浮上した。勝負の夏場に向けて、チーム状態は徐々に良化しているとみて間違いなさそうだ。

 当の高橋は「長いイニングを投げ切れてめっちゃうれしいです。走者を背負っても自分なりに粘れたかな」とお立ち台でいつも通りの朴訥とした笑顔を見せた。その直後、藤川監督の囲み取材を待つ報道陣の輪の中に自分の出番だと勘違いしてヒョッコリと入ってしまい、指揮官から「全然変わってないな(笑い)」とド天然ぶりをイジられるひと幕も…。さすがの無双左腕もバツの悪そうな照れ笑いを浮かべながら、その場から退散するしかなかった。

 何にせよ、高橋と村上以外の先発陣の奮起が加われば、いよいよ連覇へ加速していきそうだ。