虎の眠っていた牙が、セ界に戻った途端に一気にむき出しになった。阪神は19日のDeNA戦(横浜)に11―3で大勝し、2連勝を飾った。交流戦で6勝12敗の9位に沈んだ藤川虎が、リーグ戦再開初戦で相川ベイを粉砕。ヤクルトと同率ながら首位に返り咲いた。先発・村上は7回を5安打3失点にまとめ、今季6勝目をマークした。
流れは初回で決まった。初回に4本の長短打と四球なども絡め、幸先よく5点を先制すると中盤以降も中押し、ダメ押し点を効果的にゲットし、気が付けば2桁安打2桁得点。大山が8、9回に2打席連続となる9号、10号ソロを放ち、森下も9回にリーグ単独トップとなる16号2ランをマークするなど13安打11得点の猛攻で、交流戦中に湿っていた中軸にも火が戻った。
打線復調の背景には、主力を落ち着く場所に戻した効果も見える。交流戦ではドラフト1位ルーキー・立石正広内野手(22)の三塁起用を優先し、佐藤や森下を本職ではない配置で使うケースが続いた。だが、立石が17日に二軍再調整となり、同日の楽天戦(甲子園)から三塁に佐藤、右翼に森下を置く虎本来のオーダーが復活している。
不動のリードオフマン・近本は左手首骨折の影響で戦列を離れたまま。それでも2番以降は中野、森下、佐藤、大山と昨季のVオーダーを思わせる並びが戻った。居心地のいい打順と守備の形が整ったことで、この日は中軸3人だけで8打点。まさに猛虎らしい圧力でDeNAをねじ伏せた。
藤川球児監督(45)も「交流戦最後の楽天戦から続くいい流れを持ってきてくれたと思う」と納得の表情。「夏に向けて選手たちの状態やチーム力が上がるように務めたい」と語り、ここからは自身の身上でもあるチームマネジメントに一層力を注ぐ構えだ。
近本の復帰だけでなく、ファーム再調整を経て立石が一軍戦力として再生できれば、チームにとって大きな上積みになる。交流戦の悪夢を振り払う再出発の白星――。球団史上初となる連覇へ向け、視界は良好だ。













