負けても、ただでは転ばない。ヤクルトは9日のオリックス戦(京セラ)に3―4で痛恨の逆転サヨナラ負け。今季ワーストを更新する5連敗で、3位に転落した。
先発した松本は6回途中7安打1失点と粘投し、試合をつくった。打線も1点を追う6回に赤羽の中前適時打で同点。7回には武岡龍世内野手(25)の右翼線への適時二塁打で勝ち越しに成功し、なおもサンタナのフェンス直撃二塁打で3―1とリードを広げた。
だが、最後に悪夢が待っていた。2点リードの9回、守護神キハダが誤算だった。先頭・紅林に右前打を許すと、西川への四球などで一死一、二塁。中川に左翼線への適時二塁打を浴びて1点差に迫られ、なおも一死二、三塁から代打・杉本に左翼への2点適時二塁打を許し、試合は一瞬でひっくり返った。
池山隆寛監督(60)は「キハダ投手で逃げを図ったんですけど、キレとかスピード、角度であったりっていうところが…」と苦い表情。それでも「我慢、辛抱っていう言葉が当てはまると思うが、〝踏ん張りどころ〟がズルズルいかないように、また明日一戦頑張っていきたい」と前を向いた。
ただ、どん底の敗戦にも光はあった。直近7試合で2得点以下が続いていた打線は、この日は8安打3得点。単発に終わりがちだった攻撃がつながり、一時は勝ち越しに成功した。その象徴が、7回に流れを呼び戻した武岡の一打だ。
背番号60の「勝ち越し適時打」は、2024年6月16日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来、約2年ぶり。当時も同じ敵地で、9回二死二塁から右翼へ決勝適時二塁打を放ち、5―4の逆転勝利を呼び込んだ。今回は白星には結びつかなかったが、相手も舞台も同じ。かねて〝ラッキーボーイ〟と呼ばれてきた男が、またしても京セラで縁起のいい快音を響かせた格好だ。
武岡は「いい感じにきています」と手応えをにじませた。5連敗で沈むツバメ軍団にとって、この一打は単なる途中経過の適時打ではない。反攻への火種となるか――。悔しさまみれのサヨナラ負けの中で、ラッキーボーイが次戦以降への小さくない伏線を残した。












