ヤクルトの新エースが意外な〝二面性〟を見せている。

 21日の巨人戦(神宮)で山野太一投手(27)が先発。7回103球7安打1失点で3―1で勝利し、両リーグ単独トップの6勝目(1敗)をマークした。

 左腕は巨人から今季、早くも3勝目。昨季の5勝を塗りかえ、キャリアハイを更新中だ。2回一死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、3回の内野安打による1失点のみにまとめた。「ランナーを出しても落ち着いた投球ができたり、いい形でゲッツーをとれたり、なんとかしのげたのがよかった」と振り返った。

 山野は池山監督が「簡単にマウンドを降りたくないという気持ちで投げてくれている」と評価する〝情熱家〟。今季8度の登板すべてでバッテリーを組んでいる鈴木叶捕手(20)も「マウンドに集まった時には自ら『ここ絶対に抑えよう』と声を出して、引き締めてくれます。(気持ちが)落ちることもあまりなく、常にバッターと向き合ってます」と明かす。

 その山野は謙虚さも〝エース級〟だ。「ひとつずつやっていくだけ。ひとつずつ勝てたらなと思います」と決して浮つくことはない。さらに7月に行われる球宴のファン投票が開始されたが、山野は「えー…正直恥ずかしくて。あんまり出たいとは…(笑い)」とまさかの〝出場自粛〟発言。「やっぱりまわりにはすごい選手がたくさんいるので、なんか気後れというか…萎縮しちゃいそうで。出られるなら出たいですけど、出たくない気持ちもある…けど出たい!みたいな感じです」と葛藤を口にした。それでも最後には「出られるチャンスはなかなかない。もし選ばれたら、素晴らしい選手がいる中で意見交換だったり、盗めるものがあれば」と意欲を見せた。

 現状に慢心せず低姿勢を貫く背番号26だが、マウンドに上がれば、強気な投球でチームを引き上げる。謙虚さと負けん気をあわせ持つ左腕は、着実に〝燕のエース〟の道を歩み始めている。