派手な快勝の裏で、ドジャース救援陣の安定感が際立っている。チームは20日(日本時間21日)、敵地ペトコ・パークでパドレスに4―0で快勝した。大谷翔平投手(31)は初回先頭打者弾を放ち、投げては5回3安打無失点で4勝目。防御率を0・73まで下げた。リアル二刀流の活躍で連勝を飾った一戦で、もう一つ強烈な存在感を示したのが、先発降板後もゼロを並べたブルペンだった。

 米メディア「クラッチポインツ」は、ドジャース救援陣がエドウィン・ディアス投手(32)を欠きながら28イニング連続無失点を続けていると指摘した。1998年以来の球団最長で、ロサンゼルス移転後では3番目の長さという。前日19日(同20日)は5―4で逃げ切り、この日は完封リレー。連勝で31勝19敗とし、ナ・リーグ西地区首位を固めた。

 今季からメッツを離れてFA加入したディアスは、3年総額6900万ドル(約109億7000万円)の大型契約を結んだ大物守護神だった。ところが開幕直後から本調子を欠き、7試合で1勝0敗4セーブ、防御率10・50。右肘手術で長期離脱となり、終盤の設計図は早々に組み替えを迫られた。絶対的守護神として迎え入れられたはずの男がいなくても、ブルペンはむしろ鉄壁化している。

 皮肉な構図だ。ブレイク・トライネン投手(37)、アレックス・ベシア投手(30)、タナー・スコット投手(31)、ウィル・クライン投手(26)らが役割を埋め、19日の同戦ではクラインがメジャー初セーブ。20日もエドガルド・エンリケス投手(25)、トライネン、カイル・ハート投手(28)、クラインが無失点リレーを完成させた。高額契約の主役がベンチ外にいる間に、脇役たちが勝ち筋を太くしている。

 こうなると、巨額補強の意味まで問われる。もちろん10月の短期決戦を見据えれば、実績あるディアスの存在価値は消えない。それでも現状だけを切り取れば「高額守護神抜きで十分ではないか」というファン心理が生まれても不思議ではない。大谷が試合を作り、名も売値も異なる救援陣がゼロを並べる。ドジャースの恐ろしさは、スター不在の穴さえ物語の燃料に変えてしまう層の厚さにある。