阪神のドラフト1位ルーキー・立石正広内野手(22)が、19日の中日戦(倉敷)に「6番・左翼」としてスタメンに名を連ね、一軍デビューを飾った。プロ初打席となる第1打席で初球をとらえ、幸先の良いプロ初安打もマーク。4―2で勝利したチームの中で早速、存在感を示した。虎の未来を担うであろう3球団競合の金の卵に対し、本紙評論家の伊勢孝夫氏が注目したのは意外にも立石の顔。「イニシエ系の正統派阪神顔や」と〝猛虎適性〟に太鼓判を押した――。

プロ初打席の初球を振り抜き、初安打を記録した阪神・立石正広
プロ初打席の初球を振り抜き、初安打を記録した阪神・立石正広

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】プロ初打席の初球。外角いっぱいのコースに対し、思い切ってバットを振れた点はよかったな。とはいえ、まだ1試合。負傷離脱の影響でオープン戦やファーム戦の打席数も少ないだけに、他球団からの研究とマークが厳しくなるのはこれからや。

 立石がチームの6番打者として期待通り機能してくれれば森下、佐藤輝、大山らが並ぶ打線の怖さや圧力は何乗にも増える。DHが必要な交流戦のキーマンでもあるしな。3回の佐藤輝の12号2ランは相変わらず見事。そう遠くない将来にメジャーへ行くやろ。その時に立石が彼の穴を埋められるかも含め、チームの未来を背負う存在やな。

 ただ、顔はもう既に阪神やな(笑い)。遠井吾郎さん(※1)、藤本勝巳さん(※2)のような人がよさそうで、どこか朴訥(ぼくとつ)とした正統派の阪神顔や。今やったら大山もその系譜やな。ここから結果を積み重ねて「スーパースターの顔」になれるか、俺も引き続き注目しておくよ。

阪神のレジェンドOBの遠井吾郎さん(左)と、藤本勝巳さん
阪神のレジェンドOBの遠井吾郎さん(左)と、藤本勝巳さん

 吾郎さん、藤本さんといえば、村山(実)さんとも同世代の選手。懐かしいな。実は若い頃の俺、阪神の監督だった村山さんにオープン戦とかで随分とよく声をかけてもらってたんや。「ウチに来い」ってな。実際にトレードも打診してくれたんだけど、近鉄が拒否してな。

 あの時、俺が阪神に移籍していたら――。間違いなく今の自分はいないな。俺は「利かん坊」だったから、阪神みたいな厄介な球団に行ったら間違いなくつぶれてたよ(笑い)。さて、立石はどうなるんやろな。(本紙評論家)

 ※1 1958年に阪神入団。20年間タテジマ一筋でプレーし、「仏のゴロー」の愛称で多くのファン、選手から愛された。酒豪としても知られ、夜にまつわるエピソードも豊富。

 ※2 55年に阪神入団。59年には本塁打&打点で打撃2冠に輝く。虎の4番打者として62年のリーグ制覇にも貢献した。女優・島倉千代子と結婚したことでも有名。