「オオタニフィーバー」が再燃している。ドジャースの大谷翔平投手(31)は20日(日本時間21日)、サンディエゴのペトコ・パークで行われたパドレス戦に「1番・投手」で出場。初回先頭でランディ・バスケス投手(27)の初球を中越え8号ソロとし、投げても5回3安打無失点、4奪三振、2四球で4勝目を挙げ、チームを4―0の快勝に導いた。防御率は0・73まで下がった。

 ただ、この日の衝撃は一発とゼロ行進だけにとどまらない。一時は打撃不振もささやかれたが、米メディア「ヤードバーカー」は大谷の復調ぶりに着目。試合前の時点で直近7試合の打率5割2分2厘、5月6日以降も打率3割6分4厘、出塁率4割5分1厘、OPS1・041と指摘していたが、パドレス戦の一撃で数字はさらに上積みされた。

 休養明けの15日(同16日)以降は、この日のパドレス戦まで6試合で23打数11安打、打率4割7分8厘。初球先頭打者弾を含め今季通算も打率2割7分2厘、8本塁打、26打点、33得点、6盗塁、OPS・885となり、復調は一過性ではなく、完全に上昇カーブへ乗った。打撃の感覚を失ったのではなく、わずかなズレを修正し終えたと見るべき段階に入っている。

 同メディアは、米スポーツ専門局「ESPN」の今季MVP候補として大谷が再び存在感を強めている点にも言及。投手として8試合で4勝2敗、防御率0・73、54奪三振、打者としても再加速となれば、ライバル勢にとっては手の施しようがない。肩書は「二刀流」でも、実態は先発ローテーションの柱と上位打線の破壊者を同時に抱える反則級の存在である。4月から5月前半にかけて向けられた疑念は、むしろ復活劇を際立たせる材料に変わりつつある。

 メキシコの野球専門メディア「アル・バット」も、このパドレス戦を受けて「二刀流王座奪還」と絶賛した。しかも、先発投手が試合開始直後の初球を本塁打にしたのはMLB史上でも極めて異例。同サイトは「究極のユニコーン」であることを改めて証明したと伝えた。SNS上でも米ファンから「彼は野球を壊した」といった脱帽の声が飛び交い、驚嘆は米国内で一気に広がっている。

 不振説は、もう過去の話だ。打てば試合開始直後に空気を変え、投げれば相手打線を沈黙させる。大谷が二刀流の復活デーに見せつけたのは、単なる快勝劇ではない。再びメジャー全体を巻き込む現象が動き出したという、何より分かりやすい号砲だった。