レッドソックスが、もがきながらも踏みとどまっている。20日(日本時間21日)、敵地カウフマン・スタジアムで行われたロイヤルズ戦に4―3で競り勝ち、同一カード3連勝でスイープを完成。先発したコネリー・アーリー投手(24)が6回1/3を6安打3失点、5奪三振で4勝目を挙げ、守護神アロルディス・チャプマン投手(38)が9回を締めて12セーブ目をマークした。

 試合を動かしたのはジャレン・デュラン外野手(29)だった。2―3で迎えた7回、逆転の6号2ランを左翼席へ運んだ。前日19日(同20日)にも9回に3ランを放っており、2戦連発。5打数2安打2打点と、低迷していた打線にようやく熱を戻した。

 もっとも、これで一気に視界が晴れたわけではない。チームは49試合を終えて22勝27敗。3連勝してもなお借金5で、ア・リーグ東地区の上位争いには食い込めていない。それでもワイルドカード圏内までは2ゲーム差。数字上はまだ十分に「終戦」を口にする段階ではない。

 その空気を見透かすように、レッドソックスのレジェンドOB、デビッド・オルティス氏(50)が熱いメッセージを送った。ボストンのスポーツ専門ラジオ局「WEEI」で同局のザック・ゲルブ氏に対し、オルティス氏は「まだ始まったばかりだ。ワイルドカードのことなんてまだ話せない」と強調。「1か月もあれば状況は大きく変わる。野球は本当に予測不可能だ。まだたくさんの試合が残っている」と、早々の見切りにくぎを刺した。

 この言葉は、吉田正尚外野手(32)にも無関係ではない。同日のロイヤルズ戦では2番で先発し、5打数1安打。今季打率は2割5分8厘、OPS・693となった。4月17日(同18日)の劇的なサヨナラ打など存在感を見せる場面はあるが、打線全体が波に乗り切れない中で吉田にも継続的な爆発力が求められている。

 昨季はワイルドカードでポストシーズンへ進みながら、ヤンキースに屈した。今季もここまでは期待を裏切る足踏みが続く。それでもロイヤルズをのみ込んだ3連勝は、沈みかけた空気を変える小さな起点になり得る。オルティス氏の檄は単なる精神論ではない。借金5、ワイルドカード2差――。この中途半端な位置こそ、諦めるにはまだ早いという現実を物語っている。