パワー不足を嘆く指揮官の言葉が、皮肉にも日本から渡った大砲の存在感を浮かび上がらせている。ブルージェイズは20日(日本時間21日)、敵地ニューヨークのヤンキー・スタジアムでヤンキースに2―1で競り勝った。連敗を2で止めたものの、得点は7回に押し出し四球と犠飛で奪った2点だけ。8安打を放ちながら長打はダルトン・バーショ外野手(29)の二塁打1本にとどまり、ジョン・シュナイダー監督(46)が漏らした不満は消えていない。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、同監督が「われわれは中途半端な状態にある」と打線の長打力不足を懸念材料としていることに焦点を当てている。単打をつなぐだけでは得点を重ねられず、走者を置いた場面での長打や本塁打が必要だとの危機感を伝えた。チームは20日現在、22勝27敗でア・リーグ東地区3位。首位レイズとは11・5ゲーム差、2位ヤンキースとは7・5ゲーム差に開いている。
やり玉に挙がるのは、主砲のウラジミール・ゲレロ内野手(27)だ。49試合で打率2割8分1厘、3本塁打、22打点、長打率3割7分1厘。打率はそれなりの数字でも、昨季までの看板打者としては明らかに破壊力を欠く。ジョージ・スプリンガー外野手(36)も30試合で打率1割9分8厘、3本塁打、長打率3割1分9厘。昨季32本塁打の実績を考えれば、物足りなさは否めない。故障者リスト入りしているアディソン・バーガー外野手(26)も9試合で22打数1安打と停滞し、長打の計算が狂っている。
その中で際立つのが、メジャー1年目の岡本和真内野手(29)だ。20日は4打数無安打3三振に終わったが、今季47試合で打率2割2分3厘、10本塁打、27打点、長打率4割2分3厘、OPS・731。確実性には課題を残しながらも、チーム44本塁打のうち10本を担っている事実は重い。ゲレロの本塁打数を大きく上回り、打線に足りない一発を最も現実的に供給している。
シュナイダー監督の嘆きは、単なる打線批判では済まない。裏を返せば、ブルージェイズがいまさら痛感している「長打の必要性」を、岡本だけが形にしているということでもある。チームが浮上するにはゲレロら主力の復調が不可欠だが、現状の打線で最も大砲らしい仕事をしているのは、海を渡ってきた1年目の日本人内野手だ。












