もはや宿敵と呼ぶには、あまりにも差が開いてしまったのか。ドジャースと同じナ・リーグ西地区に属し、「カリフォルニア・ダービー」とも称される伝統的ライバル関係を築いてきたジャイアンツが、またしても屈辱的な敗戦を喫した。19日(日本時間20日)に敵地チェース・フィールドで行われたダイヤモンドバックス戦。3―1とリードして迎えた9回二死から1点差に迫られると、マルテに左翼席へ逆転サヨナラ3ランを浴び、3―5で敗れた。
米ドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」は、この一戦を皮肉交じりに取り上げた。注目したのは一発そのものだけではない。マルテの打球が夜空へ舞い上がった瞬間、ジャイアンツ側の放送席がほぼ沈黙したという異様な空気だった。防御率1点台だった5番手・マット・ゲージ投手(33)が最後に痛恨の一球を運ばれ、勝利目前の試合を落とす。説明の言葉すら見つからない――そんな惨状が、ドジャースファンの冷笑を誘ったというわけだ。
「笑い」の背景には、単なる一敗以上の意味がある。ジャイアンツはかつてドジャースと覇権を争った名門だが、近年は勢いを失っている。編成部門を率いるバスター・ポージー氏(39)の下で、内野手ラファエル・デバース(29)、内野手ウィリー・アダメス(30)らを抱えながら、チーム全体は上昇気流に乗り切れない。この日、デバースとアダメスはともに本塁打を放ちながら、最後は救援陣が崩れて白星を取りこぼした。大型補強の看板と、勝ち切れない現実。その落差こそが、ライバル球団のファンにとって格好の材料になっている。
しかも傷口は広がった。ジャイアンツは翌20日(同21日)もダイヤモンドバックスに3―6で敗れ、敵地3連戦で屈辱のスイープ負け。20勝30敗となり、地区首位ドジャースとは絶望的な11ゲーム差まで広がった。ドジャースが31勝19敗、パドレスが29勝20敗で上位争いを続ける一方、ジャイアンツは地区4位に沈み完全に〝カヤの外〟へはじき出されている。
伝統の対立構図は残っていても、今の力関係は残酷だ。ドジャースファンにとってジャイアンツは倒すべき宿敵というより、迷走を眺める存在になりつつある。サヨナラ3ラン、放送席の沈黙、そして翌日のスイープ負け。かつて火花を散らしたライバルの失速は、ロサンゼルス側にとって格好の〝酒の肴(さかな)〟になってしまっている。












