ヤングGの手本となるか――。日本ハムから巨人にFAで加入した松本剛外野手(32)の知られざる「しくじり体験」が球団内から注目されている。
今オフは桑原(DeNA→西武)、辰己(楽天)らの外野手がFA宣言した中、巨人が白羽の矢を立てたのは、2022年のパ首位打者・松本剛だった。先月末に入団会見を済ませ、背番号9のユニホームにも袖を通し「ジャイアンツに入れるとは夢にも思っていなかった。早く東京ドームでプレーしたい」と決意を新たにしていた。
今でこそ走攻守の三拍子を兼ね備えた選手として高評価を得ているが、若手時代はもがき苦しんだ男でもある。ルーキーイヤーの12年はイースタン・リーグで103試合に出場して遊撃でリーグ最悪の28失策。14年は同リーグで92試合に出場し、今度は二塁でリーグワーストの12失策を喫した。駆けだしから順調だったわけではなく、ファームで鍛錬を積む日々がプロ野球人生の多くを占める苦労人でもあった。
攻守でひたむきに練習に取り組み、22年に首位打者と外野部門でベストナインのタイトルを獲得。ブレークするまで長い下積み生活があっただけに、チーム関係者の一人は「最近はくさい物にふたをするかのように、最初から自分の欠点を諦めて長所だけ伸ばそうとする子が多い。それも大事な選択肢の一つだけど、早々に諦めてしまっては可能性が狭まってしまう」と近年の若手選手の傾向を指摘する。
それだけに「松本君みたいに、泥水をすすりながら厳しい練習に耐えて何かをつかんだ選手は、今ではなかなか見ない。彼の場合は成功体験だけでなく、若手時代の苦労話も若い子たちにはいい教材になると思うよ」と獲得に隠されたメリットを強調した。
ファームには伸び悩む若手がゴロゴロいる。松本剛の体験談や生きざまは、大きな活力を与えそうだ。












