中日・中田翔内野手(36)が15日に今季限りでの現役引退を表明し、古巣の日本ハムナインが〝大将〟の幕引きを惜しんだ。

 2018年のプロ入り以来、一塁のポジションを争った清宮幸太郎内野手(26)は「ショックという言い方が正しいのか分からないですけど、『もうそんな時なのか』っていうか…。寂しいです」と神妙な面持ちを見せ「僕が(プロに)入った時には、もうバリバリのチームの主力で顔でもあったので」。ライバルであり、良き先輩だった中田の引退に思いをはせた。

 中田とはおよそ4年間同僚だったため、清宮幸には特別な感情もある。その中でも特に印象に残っているのが、プロ2年目の苦しんでいた時期にかけられた〝ひと言〟だった。

「(プロ)2年目に結構エラーが続いた試合がありまして。そんなある日の札幌ドームの試合で僕のミスで勝ちが消えちゃった試合があったのですが、試合後に誰もいないロッカーで僕が一人で落ち込んでいたら、中田さんが来てくれて。『みんなそういう時がある。俺もそうやって成長してきたし、ここはみんな通る道だから』って励ましてくれて。それでめっちゃくちゃ泣きまして。そうやって救われた思い出がありますね」(清宮幸)

 15年のドラフト1位で、プロ入り後は投打二刀流に挑戦してきた上原健太投手(31)も中田の「言葉の力」に助けられた一人だ。

「あまりうまくいっていない人に対する声のかけ方が、本当にすごくて。『プロとしてどう生きていくか』や『今、何をすべきか』とか。食事の席ではそういう話をいつもしてくれる。少し強面で怖そうなキャラが確立されていますが、本当に優しい人ですし、誰もが慕う存在。ずっと『大将』と呼ばれているのはそういうところだと思います」

 チームの選手会長である松本剛外野手(32)も「見た目とのギャップじゃないですけど、とにかく優しい人。例えば一軍に上がるとすぐに声をかけてきてくれたり、食事に誘ってくれたりとか。そういう優しい人という印象が僕の中では強い。まだ(現役を)やろうと思えばやれるとは思いますが、ここでパッと辞めるあたりも、大将らしさなんじゃないかと」と話した。

 外見や言動からはヤンチャなイメージが強い中田だが、ひとたびグラウンドを離れると、兄貴肌で後輩思いの一面をのぞかせる。古巣ナインはそんな印象を抱いているからこそ、中田自身が14日に自らのSNSで日本ハム時代のユニホーム姿を投稿したのかもしれない。

 日本ハムに今なお受け継がれる中田の「優しさ」。引退発表直後からねぎらいの声が相次ぐ背景には、そんな人柄の良さが見え隠れする。

 パ2位のチームは15日の楽天戦(楽天モバイル)に1―3で敗れ、首位ソフトバンクとのゲーム差が「4」に再拡大。古巣・日本ハムを愛する「中田先輩」を喜ばせるためにも、ファイターズナインはあらためて一致団結し、逆転Vを目指すしかない。