【中島輝士 怪物テルシー物語(12)】前回に続きまして私の母校、柳川高校野球部のユニークな練習についてお話しさせていただきたいと思います。

 投手だった私は福田精一監督の指導の下、いろいろユニークな練習方法を伝授されました。その一つが平均台ピッチングです。ん?と思われるかもしれませんがそのままです。幅15センチ、高さ1メートルくらいでしょうかね。本当にはだしで平均台の上に乗ってピッチングをするわけですよ。最初は何回も落ちましたよ。

 初めの段階では机を並べてその上からピッチングすることから始まりました。今度はどこから持ってきたのか分からないけど平均台。16歳、17歳くらいの自分は体をうまくコントロールできなかったんですね。今でいう体幹がしっかりしてなかったんでしょう。しかし、平均台ピッチングで何回も投げているとビャンと投げられるようになってくるんですね。

 そうするうちに制球力が向上したのは事実ですね。球は速いけどコントロールが良くなかった私を何とかしようと、福田監督が考えてくれたんでしょう。

 平均台からのピッチングは当時、取材に来てくれた方々がカメラで撮影、録画してくれていますから資料映像なんかもどこかに残っているんじゃないですかね。

 こんなのもありました。捕手を座らせるんではなくて、うつぶせで寝かせてピッチングするんです。その時は平均台から下りてますよ。この練習方法も低めに投げさせるためのトレーニングなんですけど、キャッチャーからしたら怖いに違いないんですけどね。

 寮に帰ったら帰ったで、テーブルにロウソクが立てられていて、そこで腕を振るというトレーニングがありました。最初は腕を振っても消えないんですが、消えるようになるんですよ。ちゃんとした腕の振りをすると消えるんです。

 前回も書きましたが、有明海の干潟でのトレーニングも私にだけ特別メニューがありました。移動距離が6キロほどあるんですが、そこまで僕だけタイヤを引いて走れと言うんです。グラウンドの土の上ではタイヤは滑りますが、アスファルトで舗装された道路の上なんてタイヤが進まないんです。本当に死にかけですよ。

 大牟田市に延命球場という場所があったんですが、ここでの試合後のことですよ。細かいスコアは忘れましたが、7点ほど取って快勝です。いい試合だったな、なんて言っていると監督が怒り出して高校まで走って帰れと言うじゃないですか。約20キロですよ。完投した後にそんなこともやらされた記憶があります。

 そういえば、福岡県から県境をまたいで熊本県の荒尾市にグリーンランドという遊園地がありましてね。学校からはおよそ26キロも離れた場所です。雨は降っていないけど、グラウンドが使えないから今日は遊園地遊びに行くぞって日もありました。本当に遊びに行くんです。

 ただ、2人ペアになって自転車で移動するんです。1人は走って1人は自転車。これは優しさなんでしょう。往復50キロを走るわけではなく半分は自転車です。現地に到着すると本当に遊びます。そしたら親戚の子に偶然会ってしまって「なんしよっとや」となったことも覚えてますね。

 次回は意外な野球部同期を紹介しますね。有名ミュージシャンです。