DDTの赤井沙希(36)が、12日の東京・両国国技館大会で現役を引退する。短期連載「リングに咲いた花」2回目は、デビュー戦からプロレス大賞「新人賞」受賞を振り返る。
【リングに咲いた花(2)】私のデビュー戦は2013年8月18日、両国国技館で行われました(赤井&マサ高梨&チェリー vs 福田洋、世Ⅳ虎、志田光。リングネームは当時)。本当に戦う場所に来てしまったんだって思って少し怖くもなったけど、プロレスラーとしてまだ未熟な私が見せられるものはそんなに多くないし、まずは入場を頑張ろうと思ってたんです。
試合が終わった後に高木三四郎社長から「プロレスラーは入場が8割だから」って言われて、知らないうちに意思を継いでたんだなって。
大反対して絶縁状態にあった母も会場に見に来てくれました。試合中に口の中を切ったのを心配して、控室まで来てくれたかと思えば「腰が引けてる」とか「目線がビビッて負けてる」みたいなダメ出しばっかり。それが半年ぶりの会話だったんですけど、一生懸命やったことは認めてくれたんだなって思えましたね。
デビュー戦の反省点がたくさんあったから、1回きりでなく継続してやらせてくださいとなったんですけど、当時は試合がなかなか組まれなかったんです。プロレスラーという肩書が追加されたことで受けるお仕事や取材もいっぱいあったから、この状態で名乗っていいものなのかという葛藤もありました。
そんな中で迎えた13年11月の大阪大会ではデビュー2戦目で坂口(征夫)さんとタッグを組ませてもらいました。坂口さん自身も「2世」と言われ続け、反骨心を持ってやってこられた人。戦いの精神とかレスラーとしての生きる道を照らしてくれたといったら大げさかもしれないけど、本当にたくさんのことを学ばせてもらいましたし、尊敬するお師匠さんです。
14年になると試合も徐々に増えてきて、路上プロレスもやったし、初めて他団体のスターダムに出てワールド王座に挑戦させてもらったり多くのことを経験できました。そして年末にはプロレス大賞の新人賞を受賞させていただきました。
当時は賞の存在を知らなかったんですけど、歴代の受賞者を見たら中邑(真輔)選手の名前があって「これはすごいことかもしれない」と。選考会翌日の1面には、MVPを取った棚橋(弘至)選手と一緒に撮影した写真を載せてもらいました。プロレスラー同士、受賞者同士という形で棚橋選手と再会できて、ようやくプロレス界の一員になれたかなって気持ちになりました。
新人賞はこれからの活躍を期待されてのものだから、賞をもらったからにはすぐに引退とかは絶対にしてはいけないなと、自覚と責任感も芽生えました。でも同時に、女子プロレス界からの目線は厳しくなりましたね。
そんなに試合もしてないし、女子選手として初の受賞だったので、なら何で今まで他の女子選手がもらえてないんだって批判もあって。でもあの時私が取れたから、その後の他の女子選手や荒井優希ちゃんの受賞につながったので、そういう意味では大きな一歩になれたのかなと思ってます。














