【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(1)】1969年に秋田県南秋田郡昭和町(現・潟上市)というところで生まれました。特に目立つこともなかったし、運動神経がいいでも悪いでもない、本当に普通の子供でした。

幼少期の桜庭(左)と妹。秋田の自宅付近にて(73年ごろ)
幼少期の桜庭(左)と妹。秋田の自宅付近にて(73年ごろ)

 運動は小学5年生でミニバスケットボールを始めて中学でもバスケットボールを続けました。バスケットボールをやって気付いたのは「好きこそものの上手なれ」ってことですね。練習が好きな時は、シュートが面白いように入ったんです。ところが練習を退屈に感じた途端にシュートが入らなくなる。その時に「好きなことはうまくなるのが早いんだなあ」って思いました。これは自分の中の発見でしたね。

 プロレスが好きになったきっかけは初代タイガーマスク(佐山聡)でした。中学1年生の時、近所の本屋さんに行ったら、タイガーマスクのマンガ本があったんですよ。それをなんとなく手に取ったら、表紙に試合をしているタイガーマスクの写真が載っていたんです。周りにお客さんも大勢いて「これって、漫画用に撮影したのかな?」と思って、買いもせずに棚に戻しました。

 それから1週間もしないうちだったと思います。なんとなく新聞のテレビ欄を見ていたら、深夜に「ワールドプロレスリング タイガー・マスクVS…」って書いてあったんです。秋田では当時、プロレスは深夜に放送していたんですよ。それで「え? タイガーマスクって本当にいるの?」って驚いて、実際にテレビで見てすごい衝撃を受けたんです。「こんな動きできるのかよ!」って。マンガのキャラクターだったタイガーが実際にいる、っていうのにハマりましたね。

 それで中学2年の後半ぐらいには「プロレスラーになりたい」って思い始めました。ところが中学3年の初めくらいには身長が175センチくらいになっちゃったんです。だから「このまま身長が伸びたら俺、ブルーザー・ブロディとかスタン・ハンセンとかアンドレ・ザ・ジャイアントみたいな〝バケモン〟とやらなきゃいけなくなるじゃん! 頼むからもう伸びないでくれ」って思っていました(笑い)。

 僕はタイガーマスクみたいにジュニアの選手になりたかったから。実際、そこから身長は伸びなかったけど。それで中学の進路相談では…。

 

 連載TOPへ /次の話へ