阪神はオリックスとの日本シリーズ第3戦(10月31日、甲子園)に4―5で惜敗。〝完全ホーム〟の本拠地初戦を落とし、1勝2敗となった。本紙評論家の伊勢孝夫氏は打撃不振の佐藤輝明内野手(24)についてメスを入れた。

【伊勢孝夫・新IDアナライザー】1点を争う白熱の好勝負。日本シリーズにふさわしいゲームやったが、第4戦以降にも影響を与えそうな大きなプレーが3回にあった。一死一塁から近本が盗塁を試みるも捕手・若月が二塁へドンピシャ送球で完全なアウト。これで岡田監督は、走者が出ても走らせることができなくなってしまった。

 8回一死から中前打で出塁したノイジーに代走・島田を送ったが、続く坂本は送りバント。近本を若月の〝完璧送球〟で殺されたのが効いているから、どうしても手堅くいこうとなってしまう。ペナントレースではリーグトップの79盗塁を記録している阪神だが、4戦目以降もスチールのサインを出すのはかなりの勇気が必要となりそうだ。

 もうひとつ気になったのがこの日、4タコ3三振だった佐藤輝のバッティングだ。8回の第4打席ではオリックス4番手・宇田川の高めのボール球直球に手を出して空振り三振。シーズン後半は高めの球に手を出すことはほとんどなかったのだが、状態が悪いからついつい振ってしまう。佐藤輝は1、2戦目でそれぞれ1本ずつヒットを打っているものの、いずれも詰まった当たり。本調子とはほど遠いだけに、気がかりだ。

 4回に頓宮の同点本塁打が飛び出したことで、オリックスベンチの雰囲気はガラッと変わった。両軍とも本塁打の少ないチームだが、一発が出れば勢いに乗っていける。阪神で本塁打を期待できるのは佐藤輝と大山の2人だけに、佐藤輝が調子を取り戻さないとタイガースは苦しくなるだろう。

 森下がこの日、2安打と状態を上げてきたし、木浪も3安打と好調。試合には敗れたものの、オリックスを上回る10安打を放っているから、阪神打線の状態そのものは悪くない。黒星が先行したとはいえ、佐藤輝が芯でバチっとボールを捉えられるようになれば、巻き返しは十分可能だ。(本紙評論家)