阪神は19日のCSファイナルステージ第2戦(甲子園)で広島に2―1でサヨナラ勝ち。優勝アドバンテージを含めて3勝0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。2戦で計10安打とやや低調にも映るが、猛虎の死角はあるのだろうか。

【柏原純一「烈眼」】CSは完全に阪神の流れだ。この2試合で何より心配だったのが、打撃陣の実戦感覚。4日に公式戦を終え「フェニックス・リーグ」での調整が2試合あったが、やはりCSに出てくる相手投手は誰であれ、レベルは低くはない。

 短期決戦では試行錯誤を繰り返す時間的な余裕はない。そのなかで自らの状態を軌道に乗せなければならないが、この2戦でほとんどの選手がクリアできたのは収穫だろう。第1戦、第2戦ともに5安打。もちろん物足りない。ただし「H」ランプを10度点灯させた面々が見事なほど分散した。短期決戦では、これが好材料となる。「1番・近本」から「8番・木浪」までスタメン野手を固定して臨む阪神ではなおさらだ。

 注意しなければならないのは、シーズンと同様の力を発揮できないまま気づけばシリーズが終わる、いわゆる「逆シリーズ男」が出てしまうこと。この2試合で攻撃の役者たちがそれぞれに〝爪痕〟を残していることも見逃せない。

 第1戦は「3番・森下」が同点弾を放ち「1番・近本」も適時打をマークした。この日は2回に「5番・佐藤輝」と「6番・ノイジー」の連打で同点。最終回には「4番・大山」が右中間二塁打でチャンスメークし、最後は「8番・木浪」がサヨナラ打を決めた。この2試合でスタメン野手8人のうち6人が連勝に絡んだ格好だ。

 特に大山はそれまで全くと言っていいほど打つ気配を感じられなかっただけに、大きなプラス材料だろう。全員が打てなくても誰かの1本に四球などを絡め、形は渋くても得点を重ねる野球はまさに今季の阪神の〝王道スタイル〟。決して打線は本調子ではないものの、シーズン同様の「負けない野球」をできている阪神に死角は見当たらない。

(野球評論家)