セ覇者の貫禄を見せつけた。セ・リーグのCSファイナルステージ第1戦(18日・甲子園)は阪神が広島に4―1で逆転勝ち。アドバンテージを含め2勝0敗とし、幸先のいいスタートを切った。先発・村上が6回1失点で快投すると7回以降は4人のブルペン陣が鉄壁の無失点リレー。盤石を誇る猛虎投手陣の面々には今も〝球児の教え〟が血肉となって脈々と受け継がれているという。
盤石の試合運びだった。先発・村上が6回3安打1失点でまとめると、岡田彰布監督(65)は継投策を決断。7回以降の3イニングを桐敷―石井―島本―岩崎の4投手でつなぎ、赤ヘル打線を無失点で封じた。
昨季の主力だった青柳や湯浅、浜地らは故障や不調に苦しみ、今季は期待通りの成績を残すことができなかった。それでも村上や石井、桐敷などの新戦力が台頭し、12球団トップのチーム防御率2・66をマークした。ライバル球団の関係者が「(二軍施設がある)鳴尾の土からは、いい投手が次から次へと生えてくる」と舌を巻くのも仕方がないことだろう。
阪神の投手育成力の神髄はどこにあるのか――。近年の冴え渡るドラフト戦略もその一つに挙げられるが、虎投手陣全体に浸透している〝良き伝統〟にも見逃せない。石井、西純、岡留らチームの未来を担う若手投手たちは口をそろえて「ブルペンで待機している際にザキさん(岩崎)やサダさん(岩貞)にゲーム内での配球や、マウンドに上がる際の心構えや準備を教えていただいた」と語る。
今季で32歳を迎えた岩崎、岩貞の両左腕は生え抜き最年長投手として、若手たちにさまざまな助言も与えてくれるメンター的存在。配球だけでなく、浜風が強く吹く特殊な甲子園の〝地の利〟を生かした投球術なども後輩たちにアドバイスしてきたという。
だが、その岩崎も「それは僕らが球児さんに教えていただいたことですから。それを後輩たちに伝えているんです」と明かす。2020年限りで現役を引退した藤川球児氏(43)は現在、NHKの野球解説者としても活動。打者や投手の心理を的確に読み抜いた解説は〝神解説〟として多くの野球ファンから絶大な支持を受けている。球団史にその名を残すレジェンドクローザーは、代名詞となっている「火の玉ストレート」だけでなく、卓越した野球観や洞察力の持ち主。その教えや考えが、これからもチーム全体の血肉になっていくはずだ。












