猛虎のスコアボードから、ついに「攻撃の火」が消えた。阪神は15日の広島戦(甲子園)に0―2で敗れ、今季39試合目で初の完封負けを喫した。開幕から続いていた連続得点は球団40年ぶりの「38」でストップ。相手先発の栗林良吏投手(29)の前に打線は沈黙し、放った安打は1回二死一塁から大山悠輔内野手(31)が右前へ運んだ1本だけだった。

 立ち上がりに唯一の好機はあった。1回一死から森下翔太外野手(25)が相手失策で出塁し、大山の一打で一、二塁。しかし、中野拓夢内野手(29)が中飛に倒れ、先制機を逃した。以降は2回から8回まで7イニング連続で3者凡退。9回一死から四球で出塁した高寺望夢内野手(23)が二盗を決め、ようやく得点圏に走者を進めたが、反撃の糸口にはならなかった。

 自軍先発の大竹耕太郎投手(30)は中5日でカード頭を託され、6回5安打2失点(自責1)と試合をつくった。だが、援護がゼロでは勝ち筋は見えてこない。大竹はこれまで甲子園での広島戦で通算8試合に登板し、6勝0敗。〝カープキラー〟として積み上げてきた無敗神話にも、ついに黒星が刻まれた。

 中軸も苦しんだ。森下、佐藤輝明内野手(27)、大山の3枚看板は計11打数1安打。森下は「(栗林は)いつも通り良かったですね」と振り返り、大山も「悔しかったんで、また明日頑張ります」と言葉少な。佐藤輝は栗林に関する問いに「そうですね」などと短く答え、ロッカールームへ引き揚げた。

 阪神は今季から先発に転向した栗林とはこれで3度目の対戦となった。4月5日は8回1失点、同26日は7回1失点、そしてこの日は9回無失点。計24イニングで奪った得点はわずか2点にとどまる。難敵をまたしても崩せなかったのか、それとも栗林の投球があまりにも見事だったのか。首位争いの最中で喫したゼロ行進は、単なる1敗以上に重い沈黙となった。