これが監督経験値か…。セのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦は、1位の阪神が、ファーストステージを連勝で勝ち上がってきた広島の勢いを完璧に封じ、4―1で快勝した。
結果的に明暗を分けたのが広島・新井監督が「一塁」のスタメンに、堂林や末包、デビッドソン、ベテラン・松山でもなく4年目の韮沢を起用した点だ。
今季は55打席で7安打しか放っておらず、守備位置も二遊間を本職とする若鯉を抜擢の理由は、昨季、ウエスタンで阪神先発の村上に対し、9打数5安打、打率5割5分6厘と好相性だから。岡田阪神との決戦を前に「めちゃくちゃやる」と〝奇襲予告〟まで繰り出していた鯉将の勝負手だったが、結果的には村上に対し2打席無安打だった。
さらに広島にとって痛かったのが、1―1の同点で迎えた5回裏の場面だ。阪神攻撃陣が一死一、三塁の場面を作ると、9番・村上の一塁線への当たりは、韮沢の反応が送れ、ライン際を抜かれる形に(記録は適時二塁打)。岡田監督は「エラーちゃうで、ヒットやねん」と含み笑いで振り返ったが、一塁を本職とするような選手であれば、処理してもおかしくない打球であった。
今季は7月以降、一軍出場がなかった韮澤の起用について、岡田監督は試合後「早いうちに分かっていたよ。『ファーストで来るんちゃうか?』って話はしてた」とケロリ。広島・新井監督は「リスクを背負ってでも」と超攻撃型布陣で必勝を期してきたが、結果的には守備でピンチを広げてしまった。
岡田監督は日頃から「投手と打者」の相性での起用法について「そのシーズンのなかでの相性のいい、悪いは考えるけど、シーズンが終わればまた『ゼロ』になる」という考えの持ち主。虎の指揮官からしてみれば、昨年度の韮沢vs村上の好相性データは〝過去の話〟でしかなかった模様だ。












