【大下剛史・熱血球論】新井貴浩新監督率いる広島は、ここまで58試合を消化して30勝28敗の貯金2でセ・リーグ3位につけている。2019年から未開催の20年を除いて3季連続最下位の交流戦でも、今年は4カードを終えて6勝6敗。貯金も借金も最大4で勝率5割ラインを行ったり来たりしている。突き抜ける強さはないが、大崩れもしない。就任1年目ながらどっしり構えているというか、落ち着いて野球をしている印象だ。
誤算は多々あった。5年連続で開幕投手を務めたエース大瀬良は4月14日のヤクルト戦を最後に5戦連続で白星に恵まれず、抑えの栗林も防御率6・75と安定感を欠き、既に6敗を喫している。開幕から4番を務めてきたマクブルームも打撃不振から抜け出せず、11日に出場選手登録を抹消された。それでも新井監督に慌てた様子はない。野球を知らないから黙っているだけ(笑い)かもしれないが、指揮官が落ち着いていれば選手もやりやすいはずだ。
昔から人の話に耳を傾けることができた新井監督は、みんなの意見を取りまとめたうえで最善の答えを見つけ出すことができる。今季の戦いぶりを見ていて特にそう感じさせるのが、現役時代に阪神で苦楽をともにした藤井彰人ヘッドコーチとの関係だ。試合中にテレビ中継で抜かれるベンチ内の2人の様子に好感を抱いているファンも少なくないだろう。
監督というのは孤独なもので、支えてくれる参謀は欠かせない。藤井ヘッドは現役時代に近鉄、楽天、阪神でプレーした経験を持つ。〝広島の常識〟を知らないからこそ新たな視点を提示することもできるだろうし、2人の信頼関係、あうんの呼吸は外から見ていても感じる。この先の戦いでひと山、ふた山あるだろうが、二人三脚で突き進んでもらいたい。
(本紙専属評論家)












