【グラゼニ球論・金村暁】新井貴浩監督(46)のもと、4年連続Bクラスからの浮上を目指す広島では、新任の藤井彰人ヘッドコーチ(46)の働きが大きなカギを握ると思っています。
藤井コーチとは1976年生まれの同級生としてだけでなく、昨年までの4年間、阪神の一軍首脳陣としても一緒にやらせてもらいました。私がブルペン担当で、彼がバッテリー部門。役職的にも〝近い〟関係だっただけに野球談議から、実際の配球面まで幾度となく、議論を交わしましたが、その度に私も勉強になったのが、彼の視野の広さや見識の深さです。
監督、コーチ会議で矢野監督が「これ、どう思う?」と、提案されたことに対しての答えがすごく洗練されていて的確。結論は私も含めた他のスタッフ、監督の合議で決めることが常でしたが、彼はいつもその時々で〝ベスト〟に近い提案してくれて、チームをいい方向に導いてくれました。
これはやはり彼が現役時代、捕手を本職にしていたことが大きいように感じます。捕手は、扇の要で守備の際は「グラウンドの監督」と呼ばれるポジション。どう守るかの指示は基本、捕手から出され、頭の回転が良くないと務まりません。視界的にも唯一、他の選手とは逆方向を向くだけに、チームを俯瞰する能力も、他のポジションを守った選手以上に養ってきたのだと思います。
こうして培った野球観はコーチとなった際、実際には試合中のベンチワークでも、大きな力を発揮します。新井監督も現役時代からそんな彼の野球脳の高さに敬意を持ち、自分の〝右腕〟として頼りにしたのではないかと感じます。
個人的な思いも含まれますが、今年の広島は、私がコーチに就任した16年の阪神の状況と似ています。金本監督もコーチ経験なしでいきなり監督に就任され、ヘッドコーチには大学時代の同級生だった矢野前監督を招聘されました。新井監督も同様、いきなり監督に就任し、気心が知れた同級生に、一蓮托生ともいえるスタッフ陣の最重要ポストを委ねました。
どちらかといえば新井監督は大胆かつ豪快で、直感を重視した猪突猛進型の性格。そこに、的確かつ冷静に判断できる藤井ヘッドがいることで、采配面を含めたベンチワークも実にバランスが取れたものなると感じてます。189センチの大柄な新指揮官を支える170センチの小柄な参謀役。凸凹コンビの2人が広島に新しい風を吹かせてくれることを期待しています。
(本紙評論家)










