【前田幸長・直球勝負】広島・新井貴浩監督(46)がこれまでにない監督像を築き上げそうだ。監督就任1年目にかける意気込みを聞かせてもらうため沖縄キャンプを訪問すると、約40分にわたって熱弁。5年ぶりの頂点へ向け「キャンプではみんなやる気になっているのを感じる。先発はいいし、抑えも栗林がいる。ブルペン陣が時間がかかるのは覚悟しているが、シーズンに入っても状態のいい選手を使いながらやる」と語った。
理想とする監督像はあるのか、直球をぶつけてみると「まったくないです。どういう監督になりたいとか、監督はこうでないといけないという考えはない。自分が感じたことを正直に行動したいという積み重ねで、どういう監督なのかというのは周りが思ってくれると思う」と打ち明ける。
ただ、チームを「家族」と表現する新井監督だけに現役時代を一緒にプレーした選手に厳しくできるのか、情は絡まないのかなど〝距離感〟が気になるところ。これには「僕もいろいろ考えたが、やっぱり自分が思ったことを正直に伝えていこうと。監督になって立場が変わって自分が構えてしまうと、選手の方が結局、気を使ってしまう。正直に選手とコミュニケーションを取って、本音でぶつかっていく」と力説した。
もちろん、選手と慣れ合うわけではない。あくまで「選手にもミーティングで『スイッチのオン、オフのメリハリをつけてくれ』と言ったけど『やるときはやる、リラックスして楽しむときはとことん楽しんで、しっかりやってくれ』と言った」と教えてくれた。
そんな新監督が就任直後に着手したのが坂倉将吾(24)の捕手固定だ。昨季は主に三塁手として全143試合に出場したが「僕の中では坂倉を捕手にしようと思っていて、オフにまず本人を呼んで聞いたら『捕手がやりたいです!』と言う。そこが一致したので捕手一本に戻すことにした。でも絶対ベテラン捕手の経験値は重要。会沢の目も変わってきて気合が入っている。1回レギュラーをつかんだ人は2番手捕手になったとしても息が長い」と語った。
新井監督は明言こそしなかったが、私は今季の正捕手に坂倉を抜てきする覚悟のようなものを感じ取った。もちろん、会沢と競争の上でだが、やっぱり打てる捕手・坂倉の存在は大きな戦力となりそう。12球団一の若い指揮官となる新任監督の手腕に期待したい。
(本紙評論家)












