これまで侍ジャパンの常連だった巨人・菅野智之投手(33)は3月開催のWBCで代表から漏れた。昨季は2年ぶりに2桁勝利を挙げたが、原辰徳監督(64)から「今季は正念場」と尻を叩かれている。宮崎を離れ、沖縄・那覇で行われているチームの2次キャンプで黙々と汗を流しているエースは、どんな心境と決意で今季に臨むのか。球団OBでもある本紙評論家の前田幸長氏が本音に迫った。
【前田幸長・直球勝負】ジャイアンツのエースの完全復活はあるのか。ずっと気になっていた。菅野に現状を聞くと「危機感はないです」と返ってきた。ちょっと驚いたが、深掘りしていくと発言の真意と根拠は納得できるものだった。
菅野は2020年に14勝(2敗)で3度目の最多勝に輝いたものの、21年は自己ワーストの6勝(7敗)にとどまった。昨季は苦しみながらも10勝(7敗)と巻き返したが、原監督には物足りなかったようで「(坂本)勇人、智之は今季は正念場になる」とシビアに話している。
10月で34歳。私にも経験はあるが、普通なら30代中盤にもなると思ったように体が動かなくなってきて練習方法を変えたり、投球スタイルの大きなモデルチェンジを余儀なくされてくる。
菅野の変更点は一つだけ。今キャンプの途中から軸になる右足をプレートに沿って固定したまま踏み変えず「左足を後ろに引かないワインドアップにしただけです」と明かしてくれた。最初から右足をプレートと平行しておくことで、踏み替え時の引っかかりも防止できて「よりボールに力が伝えやすくなった」という。体調面でも近年にないぐらい走り込みや投げ込みができているそうで「今のやり方で順調にきています」と表情からも充実ぶりがうかがえた。
入団時にエースだった内海(現西武二軍投手コーチ)が黙々と練習に打ち込む姿は今でも目に焼きついていて「僕も内海さんのように、若い選手の手本にならないといけない」と背中で引っ張りたいとの思いも強い。
今季の目標を尋ねると「1年間ローテを守ることと180イニング以上を投げること」と力強く語った。勝ち星については打線との兼ね合いもあるので具体的な数字は控えたが、12~13勝ぐらいは計算できるだろう。
周囲の心配をよそに、「危機感はないです」と言い切れるのは、それだけ自信がある証拠だ。菅野と話をしていて「何クソ」「まだやってやる」「俺はまだまだこんなもんで終わらないぞ」という決意のようなものがビンビンと伝わってきた。
(本紙評論家)













