宿敵を意識すればするほど、白星が遠のいていく。日本ハムがソフトバンクを前に、完全な負の連鎖にはまり込んでいる。14日に本拠地エスコンフィールドで行われた首位ソフトバンクとの直接対決は、2―4で敗戦。相手先発・上沢を攻め切れず、今季の対戦成績は1勝11敗、ゲーム差も「5」に広がった。

 先発に北山を送り込んだ大事なカード初戦を落とし、新庄剛志監督(54)は試合後、球団広報を通じて「ミスがこの結果になりました」とだけコメント。試合終了からわずか4分後に球場を後にした背中には、怒りと悔しさがにじんでいた。

 それも無理はない。打線は2回一死一、三塁、4回一死満塁、6回無死満塁と再三の好機をつくりながら無得点。1点を追う7回一死三塁でレイエスの犠飛により追いついたが、8回一死三塁でも勝ち越せなかった。すると9回、水野の失策をきっかけに一挙3点を献上。指揮官が最も嫌うミス絡みの敗戦だけに、後味の悪さは際立った。

 これで今季のソフトバンク戦は6月19日の1勝を除いて全敗。今カードを3連敗すれば、まだ7月中旬にもかかわらず今季の対戦負け越しが決まる。実力差やミスの多さは無論だが、チーム周辺では「過度なライバル意識も大きいのでは」との声も上がっている。

 今季は新庄監督が「打倒・小久保裕紀」を掲げ、ナインも悲願のリーグ優勝へ宿敵撃破を強く意識してきた。だが、その思いが強すぎれば、打席では力み、守備では体が硬くなる。この日も好機や重要局面になるほど、本来のプレーを出せない空気が漂っていた。他球団相手なら自然にできている攻守が、ソフトバンク戦になると途端にちぐはぐになる。技術だけでは片づけられない心理的な重圧が、選手の判断や動きを鈍らせている可能性は否定できない。

 試合後には、郡司も「ウチができることをやらずに負けてしまっているだけ。ただ、何か不思議な感覚というか、ソフトバンクは思い入れが強い対戦相手だとは思います」と吐露した。

 宿敵との直接対決だからこそ、特別視をやめる。鷹を捕らえるために必要なのは気負いではなく、普段通りの「通常運転」だ。原点に立ち返れなければ、苦手意識はさらに深く根を張ることになる。