音楽ユニット「ファンキー・モンキー・ベイビーズ」のファンキー加藤(44)が、東京スポーツ新聞社制定「2022年度プロレス大賞」に物申す――。新日本プロレスのオカダ・カズチカ(35)が最優秀選手賞(MVP)を受賞する一方で、各賞で票が割れて接戦だったためさまざまな議論が沸騰。そんな中、熱狂的なプロレスファンとして知られる加藤が取材に応じ、自らの視点でプロレス大賞に切り込んだ。

 ――MVPはオカダが3年ぶり5度目の受賞

 ファンキー加藤 1年を通して高いクオリティーの試合を続けて結果も出してきたので、納得のMVPだと思いました。たびたび(アントニオ)猪木さんというワードを出して先人への敬意も忘れず、G1のジョナとの試合はよく体が壊れないなと。あの無尽蔵のスタミナとタフさがすごい。このままいくと、歴代で一番多くMVPを受賞する選手になるんじゃないかな、20回ぐらい。

 ――年間最高試合賞は8月18日の新日本・G1クライマックス決勝戦(日本武道館)のオカダ対ウィル・オスプレイだ

 加藤 俺的には葛西純選手とエル・デスペラード選手の試合(9月12日、JUST TAP OUT・代々木)が取ってほしかったな…。今までプロレスを見てきた中で、あんなに涙がボロンボロンこぼれ落ちた試合はなかった。葛西選手の涙のマイクを受けて、デスペラード選手が「どうもすいませんでした」って素直に謝るのがかっこよくて。でも、やっぱり選ばれた試合はストーリー性も動きっぱなしで、戦っている姿も2020年代のプロレスで最高峰の試合だった。

 ――新日本のグレート―O―カーンは最優秀タッグ賞と敢闘賞の〝2冠〟を獲得

 加藤 あの女児救出の件とか露出も含めて、今一番プロレス脳を爆発させてる選手だと思う。あのニュースは全プロレスファンが誇らしく思えたから、MVPを取ってもいいかなって思ったくらい。

 ――殊勲賞の全日本プロレス・宮原健斗は

 加藤 全日に来て苦しい状況が続いてる上に、今回の(ジェイク・リーら3選手の)退団で多少無理しているところがあるかもしれない。でも「俺がいれば全日本プロレスは最高だぜ」って言い続けて頼もしく思う。プロモーションも一生懸命だし、新日本が苦しかった時の棚橋(弘至)選手とかぶるんですよね。

 ――技能賞はGLEATからエル・リンダマンが受賞した

 加藤 GLEATはこの前の試合でもMMAを取り入れたり、求心力のある団体だと思う。彼はあのちっちゃい体(161センチ、70キロ)で鍛え込んで、白ブリーフに短いレスリングシューズが潔くてかっこいい。あとはマイクが抜群にうまくて、ライブのMCで参考にさせてもらってます。

 ――女子プロレス大賞を初受賞したスターダムの朱里については

 加藤 スターダムはきらびやかな選手がそろっているけど、やっぱり朱里選手という「強さの象徴」があるから、周りの選手たちが自由に舞えているんじゃないかな。来年は女子も殊勲、敢闘、技能あたりに食い込んできてほしいですよね。

 ――新人賞は全日本プロレスの安齊勇馬が選出された

 加藤 安齊選手はいい! 大口叩いてあれだけ体が仕上がった新人は、みんなワクワクして好きですよ。単純にでかい(188センチ、105キロ)は正義。早々に海外修行に出してもいいかも。

 ――ノア、DDTは受賞者がいなかった

 加藤 これでまた「なにくそ」って思えれば、プロレス大賞の意味合いも出てくる。俺も紅白歌合戦になかなか出られなくて、その悔しさを胸に日々頑張っていた時代もあったし、紅白とかレコード大賞をいただいた時よりも、もらえなかった時の悔しさのほうが記憶に残っている。それが今も自分の努力の源になってたりするので、取れないのは一歩前進ですよ。むしろ「オカダ、ふざけんな!」ってみんなが頑張ればプロレスがもっと盛り上がると思う。

 ――来年の期待選手は

 加藤 新日でいうと海野翔太選手ですね。彼は陽のオーラが半端ないので、武藤(敬司)、棚橋に続くエース候補で間違いないと思う。あとはノアの稲村愛輝選手。対抗戦一つひとつでインパクトを残しているので、海外遠征とか他団体への参戦とか何かしらのきっかけで化けると思う。若い選手が40歳前後のレスラーを叩きのめしてほしいなっていうのはありますよね。(インタビュー・木元理珠)

 ☆ふぁんきーかとう 1978年12月18日生まれ。東京・八王子市出身。2004年に八王子出身の3人組の音楽グループ「ファンキー・モンキー・ベイビーズ」を結成し、06年にメジャーデビュー。ヒット曲「あとひとつ」はプロ野球楽天・田中将大投手の入場曲となり、紅白歌合戦には4度出場。人気絶頂の13年に解散したが、ソロ活動を経て21年にモン吉との2人でグループ活動を再開。今年元日のノア日本武道館大会ではテーマソング「VOYAGE」を書き下ろした。