【日本シリーズ大予想：本紙専属評論家・大下剛史氏＝ヤクルト４勝３敗】今シリーズは両監督の采配に注目したい。この２チームの顔合わせは過去にも名勝負が多く、今も語り草になっている。広岡達朗監督と上田利治監督（当時は阪急）が激突した１９７８年は、第７戦でヤクルト・大杉勝男さんが放ったポール際への本塁打を巡って１時間１９分も試合が中断。野村克也監督と仰木彬監督の対戦となった９５年は、イチローＶＳ捕手・古田敦也の頭脳戦が話題を呼んだ。
オリックスには絶対的エースの山本由伸、ヤクルトには日本選手のシーズン最多本塁打記録を更新した村上宗隆とスター選手はいるが、チームの特徴という点では似通っている。派手な打ち合いは予想しにくく、昨年と同様に競った展開になるだろう。
短期決戦で大事なのは即断即決で流れを手繰り寄せる度胸。その点で、高津監督の率いるヤクルトが一枚上と見た。いずれにせよ、あとで振り返って「あの試合の、あの采配が決め手になったんじゃないか」と酒を飲みながら語り合えるようなシリーズになることを期待している。
