巨人にとっては、1点差の白星以上に意味のある〝接近戦勝利〟だった。4日のオリックス戦(東京ドーム)に2―1で競り勝ち、同一カード3連勝。首位ヤクルトと2位阪神がそろって敗れたため、3位のままながらそれぞれとの差を2ゲームから1ゲーム、ヤクルトとの差も3・5ゲームから2・5ゲームへ一気に詰めた。橋上監督代行の下で、じわじわと上位の尻尾をつかみ直している。
主役は勝ち星こそ付かなかったが、先発の田中将大投手(37)だった。初回、太田に適時打を浴びて先制点を献上。ここでまたズルズルいけば、近ごろ不安視されていた〝立ち上がり病〟が再発するところだった。だが、この日のマー君は沈まなかった。小林のリードに導かれ、以降は走者を背負っても致命傷を許さない。7回112球、7安打1失点。6奪三振で試合を壊さず、むしろ終盤勝負へチームをいい形に引きずり込んだ。
打線はエスピノーザの前に沈黙しかけた。2回にキャベッジの11号ソロで追いついたが、その後は重苦しいゼロ行進。それでも1―1の8回、泉口が左翼線へ決勝の適時二塁打を放ち、薄氷の均衡をこじ開けた。8回は中川が3奪三振で流れを呼び込み、9回はマルティネスが締めて18セーブ目。派手な猛打ではない。だが、こういう1点差をもぎ取る勝ち方こそ上位を追うチームには何より効く。
橋上代行は田中将について「立ち上がりこそ失点しましたけど、最少失点で切り抜けましたし、その後は制球もよく、リズムよく投げてくれましたので安心して見ることができました」と評価。田中将も「なんとか踏ん張ったって感じです。自分がマウンドにいる間はずっと誠司に引っ張ってもらいながら、なんとか耐えて…という感じですね」と女房役に感謝した。
関係者の間では「今のマー君は初回がすべて」と見られていた。エンジン点火前に相手へ主導権を渡せば、一気に流れを持っていかれる危険があるからだ。その鬼門を1点で踏みとどまり、7回まで粘った意味は小さくない。〝マー×コバ〟が耐え、泉口が刺し、虎とツバメが足踏みした夜。巨人の逆襲ムードが、いよいよ本格的に熱を帯びてきそうな気配だ。












