それでもトロントは、まだ白旗を上げていない。ブルージェイズは3日(日本時間4日)、ツインズからシメオン・ウッズリチャードソン投手(25)を金銭トレードで獲得したと発表した。米スポーツ専門局「ESPN」と提携を結ぶカナダスポーツ専門局「TSN」電子版は、ブルージェイズが7月末のトレード期限を待たず元有望株右腕を呼び戻したことで「低迷するチームにとって再進撃の号砲にも映る」と評している。

 この日、チームは敵地アトランタのトゥルーイスト・パークでブレーブスに3―7で敗れ、4連敗。29勝33敗でア・リーグ東地区3位タイ、首位レイズとは8・5ゲーム差となった。ただし、ワイルドカード圏までは1・5ゲーム差。数字上はまだ「逆転」の余地を十分に残している。

 だからこそ、今回の補強は単なる穴埋めではない。ウッズリチャードソンは2019年にメッツからブルージェイズへ移籍し、21年にはベリオスをトレードで獲得した際の交換要員としてツインズへ渡った経緯を持つ。今季は12試合に登板し0勝7敗、防御率7・74と苦しみ、5月30日(同6月1日)にDFAとなった。それでも通算では65試合中61試合に先発し、12勝17敗、防御率4・76。2024、25年にはローテ後方で一定の役割を果たしており、シュナイダー監督も微修正で立て直せる可能性をにじませている。先発、ロング救援の両面で使える再生候補だ。

 故障者を抱え、ブルペンデーを強いられてきた投手陣に、最低限でもイニングを消化できる右腕を加えた意味は小さくない。失点が膨らみ、打線が追いかける展開ばかりになれば、攻撃の焦りも増す。投手陣が落ち着けば、打線にも波及効果は出る。

 その中心にいるのが岡本和真内野手(29)だ。打率こそ2割2分1厘ながら、13本塁打、35打点、OPS0・742と長打力では存在感を示している。得点機会で一発のある打者が控える打線に、投手陣の失点減がかみ合えば、接戦を拾える試合は増えるはずだ。

 一方で、ウラジミール・ゲレロ内野手(27)は打率2割9分3厘を残しながら、3本塁打、24打点、OPS0・769と主砲としては物足りない。ゲレロが本来の破壊力を取り戻し、岡本の一発と連動すれば、停滞感は一気に反転する。早すぎる補強は、諦めの証しではなく、巻き返しへの意思表示。ブルージェイズの6月反攻は、ここから始まるのか。注目される。