神宮の夜空に、燕(ツバメ)の上昇気流ではなく不穏な向かい風が吹きつけた。

 ヤクルトは4日のロッテ戦(神宮)に2―5で敗れ、交流戦は9試合を終えて4勝4敗1分。セ・リーグ首位を走る池山隆寛監督(60)率いる燕軍団にとって、単なる1敗では片づけられない黒星となった。

 先発の小川が、立ち上がりから火だるまになった。初回に4連打を浴びて2点を先取されると、3回にも山口の左前適時打で追加点を献上。0―3の5回には佐藤への四球をきっかけに、西川、ソトに連続適時二塁打を許し、この回も2失点。5回9安打5失点、97球でKOされ流れを早々に手放した。

 打線も重かった。相手先発の小島の前に5回まで無安打。6回にサンタナの中犠飛で1点を返し、8回にも二死一、二塁から増田の左前適時打で1点を加えたが、反撃はそこまで。わずか4安打で、ロッテ3連戦の負け越しを喫した。

 池山監督は「やっぱり前半戦の失点が響きましたね」と渋い表情。それでも「相手も変わりますし、ユニホームも変わると思うので、気分を一新して、また一戦臨みたい」と前を向いた。

 だが、この交流戦はヤクルトにとって単なる短期決戦ではない。過去を振り返れば、実はチームの吉凶を映す〝鏡〟のような期間でもある。昨季と17年は、ともに交流戦5勝12敗1分の最下位に沈み、シーズンも最下位。一方で18年は交流戦12勝6敗で優勝を飾り、リーグ2位へ躍進。リーグ優勝を飾った22年も交流戦14勝4敗で頂点に立った。「完全比例」ではないにせよヤクルトの場合、交流戦の風向きはその後のペナントに必ず直結している。

 だからこそ、4勝4敗1分で折り返した今が分水嶺(れい)だ。この日は右打者を9人並べる極端な打線を組んだが、結果は4安打。指揮官は「左はフォアボールを取れない、三振する。右も三振はするんだけど、フォアボールが取れるというところで選択したんだけど。ヒットが出なかった」と試行錯誤の跡をにじませた。

「ここで勝ち越すと、波に乗れるから」。交流戦は全18試合。ヤクルトは前半9試合を勝敗五分でしのぎ、残り9試合に浮沈を懸けることになった。池山ツバメがこのまま羽ばたくのか、それとも失速の前兆を見せるのか。過去にもシーズンの明暗を映してきた交流戦は、ここからが本当の勝負だ。