ドジャース・大谷翔平投手(32)の元通訳、水原一平受刑者(41)のドキュメンタリー番組が米スポーツ専門局「ESPN」のポッドキャスト「30 for 30」で28日(日本時間29日)から配信されることを前に、26日(同27日)までに予告編が解禁されて早くも騒然となっている。

 配信は全6話の予定で、水原受刑者への90分間にわたるインタビュー、捜査関係者の証言もあるという。水原受刑者は2024年3月に賭博スキャンダルが発覚し、大谷の銀行口座から約1700万ドル(約26億円)を不正に着服。スーパースターが〝側近〟に裏切られる衝撃的な事件は世界を震撼させ、水原受刑者は25年2月に銀行詐欺などの罪で禁錮4年9月の判決を言い渡された。

 巨額詐欺事件への足掛かりをつかんだのは同局の調査報道記者、ティシャ・トンプソン氏が情報提供者からもたらされた断片的な情報だったという。トンプソン氏が情報提供者と接触したのは真夜中の駐車場。暗号化アプリを通じて送信された文書は30秒間で消えてしまうため、トンプソン氏は手書きでメモを取ることが精一杯だったという。

 一つめは23年9月14日付で50万ドル。10月2日付でもう50万ドルの送金記録が記載され、どちらも同じ銀行の情報があったという。トンプソン氏は「その後、車を走らせてからノートに走り書きした文字と数字の羅列をジッと見つめ、それが銀行のルーティングナンバーだと気づいた」と語り「バンク・オブ・アメリカの銀行口座からの送金を確認したところ、その口座の名義人に『大谷翔平』という名前が記載されていた」と話している。

 ここから水原受刑者の胴元だったマシュー・ボウヤー氏側との金銭的なつながりが判明。大谷はすでに「無関係」と結論づけられているが、当時は疑惑の目も向けられ〝世紀のスキャンダル〟として暴風が吹き荒れる事態に発展していった。

 30秒でデータが消えてしまうという映画さながらのやりとりから始まった巨額詐欺事件。米大手紙「ニューヨーク・ポスト」は「駐車場でのやりとりは初期段階における不確実性を如実に物語っている。トンプソン氏は野球界のトップスターの名前が記された送金記録を発見していたが、その金が大谷が信頼する人物によって盗まれたことを裏づける証拠はまだ見つかっていなかった」と伝えている。