「cheapskate(せこい男)」の汚名返上へ、古巣の盟友が助け舟を出した。今夏のトレードでタイガースからドジャースへ移籍したタリク・スクバル投手(29)を巡り、グラウンド外で思わぬ〝コーヒー騒動〟が尾を引いている。古巣のクラブハウスに置かれ、チームメートも使っていた高級エスプレッソマシンを移籍に際して持ち出したことで、「せこい」などと揶揄する声が飛び交った一件だ。

 ただ、その見方に「待った」をかける人物が現れた。タイガース時代の盟友で、現在はパドレスに所属するケーシー・マイズ投手(29)だ。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は11日(日本時間12日)、マイズが騒動について口を開き、かつての仲間を擁護したことを伝えた。

 マイズによれば、問題のマシンは注文してから届くまでに時間がかかったうえ、スクバルが自分好みの状態に調整できたのはトレード期限のおよそ1か月前。しかも価格は約1万ドル(約153万円)という高級品だったという。

 ようやく思い通りの一杯を入れられる状態になった直後に移籍が決まり、スクバルはマシンも新天地へ持っていくことを選択。マイズは「すごく高価なマシン」であることを説明した上で、長い時間をかけて好みの状態に仕上げた事情を踏まえれば、その判断は理解できるとの考えを示した。

 スター選手なのだから、もう一台買えばいい――。そんなツッコミも当然出てくる。だが、値段だけでなく、手元に届いてから自分の好みに合わせるまで手間をかけた〝愛用品〟だったとすれば、単なるケチ話では片づけられない。少なくとも、同じクラブハウスで過ごし、その経緯を知るマイズはそう受け止めている。

 移籍時にエスプレッソマシンまで持っていったことで、すっかり〝せこい男〟扱いされてしまったスクバル。だが、元同僚から飛び出したのは批判ではなく、事情を知る者ならではの援護射撃だった。マウンド上では一球にこだわり、コーヒーでは一杯にこだわる。どうやら左腕にとっては、どちらも簡単には譲れないものだったようだ。