大逆転人生の歩みは、いまだ道中だ。ソフトバンク・藤井皓哉投手(26)は今季ここまで43試合に登板して、防御率1・01と安定感抜群の投球で「8回の男」に定着。優勝争いを演じるチームに欠かせない存在となっている。

 2020年限りで広島を戦力外となり、昨年は独立リーグでプレーしていた藤井。「去年のことを考えると、今ここにいることも驚きで、想像もできなかった」と率直な思いを語る。その上で「そういう意味では、他の人よりも〝ありがたみ〟を感じる部分は強い」と好パフォーマンスの原動力を明かす。

 9月にプロの戦場に立ち、覇権争いの真っただ中で腕を振る経験はもちろん初めて。託される8回のマウンドは重責だが、臆する様子はない。「僕がどんなに悪い流れをつくっても、後ろ(9回)はモイネロなので抑えてくれると思っている。そういう意味では楽な気持ちでマウンドに上がれている」と絶対守護神に感謝する。「どんな形でも0で抑えて帰ってくる。それがチームに一番貢献できる」と、謙虚な気持ちは〝昇進〟しても変わらない。

 150キロ超の力強い真っすぐに、鋭く落ちるフォークを武器にここまでの奪三振率は圧巻の12・49。積み重ねてきた数字を自信にして「勝負の9月」に野球人の真価を証明する。