楽天・石井GM兼監督へのノムさんの本当の評価は?

2020年11月18日 15時00分

石井GMは現役時代、野村監督(左)に、さんざんボヤかれた

【赤坂英一 赤ペン!!】先週(11日付)の小欄で、「楽天・三木監督にあと1年チャンスを!」と書いたら、その3日後に二軍監督への配転が決まった。後任には石井一久GM(47)が兼任監督になると発表され、早くも疑問や批判の声が相次いでいる。

 まったく指導者経験のない人物が、GMと監督との二足のわらじを履くなど前代未聞。石井GMが選手時代、ヤクルト・野村監督に「あいつは頭がよくないから」とボヤかれていたことも、球界に広がる不安説に拍車をかけているようである。

 石井投手をこき下ろすノムさんのボヤキなら、私も何度も聞いた。そのまま字にすることがためらわれるほどの毒舌だった。が、石井投手が正捕手・古田のように野村監督に何度も厳しい説教や叱責を受けた、という話は寡聞にして知らない。

 実際はどうだったのだろう。開幕前、スポーツ総合雑誌「ナンバー」の野村克也氏追悼号の取材で、石井GM本人に確かめる機会に恵まれた。

「野村さんには厳しいことを言われながらも、いつも優しく、温かい目で接してもらった記憶があります。古田さんや高津さん(現ヤクルト監督)にはすごく厳しかったんですが、僕は過保護に育てていただきましたね」

 新人だった1992年、石井投手は野村監督に「坊っちゃん」「ボクちゃん」などと呼ばれていた。当時、石井投手の両親があいさつしに来たときは「しっかりした親御さんやな」と、いたく感心していたという。

 引退後、解説者となった石井氏が野村氏と会う機会があると「いつかはユニホームを着ないとダメだぞ」と声をかけられた。石井氏の解説が的を射ていると伝え聞き「(現役時代の)バカは演技か。だまされたな」と漏らしたのもこのころ。石井氏を高く評価していたとは言わないが、それなりの取りえがあるとは思っていたのではないか。

 石井氏が楽天GMに就任した2年前、野村氏は「おまえがGMか」と言っていたという。特に突っ込んだ話はしなかったが、ノムさんは昔と同じように温かい目をしていて、言外に「頑張れ」と励まされたと石井GMは理解したという。

 もっとも、生前の野村氏が実は石井GMに期待していたといっても、監督として有能かどうかとなると話は別だ。来季、現在の悪評をはね返して結果を出せるのか。期待半分、不安半分で見守っていきたい。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」「プロ野球第二の人生」(講談社)などノンフィクション作品電子書籍版が好評発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。日本文藝家協会会員。