今季の西武が誇る最強ブルペン陣が3日の日本ハム戦(メットライフ)でも5投手による無失点リレーで逆転を呼び込み5ー4の勝利に貢献。これで1点差ゲームの戦績を25勝11敗(勝率6割9分4厘=リーグ1位)とし、115試合目にしてついに2位・ロッテに並んだ。

 辻監督は「こういう展開で1点(差)でも戦っていかないといけない。後ろのピッチャーが控えている中で攻めて行った」と日本ハムに逆転を許し3ー4と1点を追う5回途中で先発・高橋光をあきらめ、そこから惜しげもなく宮川ー小川ー森脇ー平良ー増田の方程式をつぎ込んだ攻めの継投に言及した。

 勝って7勝目(1敗15ホールド)を挙げた森脇とわずか12球で三者を片付け日課のように32ホールド目をマークした平良の両右腕はいずれも3連投で今季45試合、52試合の登板。持ち場の9回に西川、中田、大田のクリーンアップを連続三振を含む三者凡退に斬り豊田投手コーチの持っていた球団記録を更新する通算136セーブ目(今季33セーブ)を挙げた増田も47試合登板と鉄壁のブルペンは勝負所で最後の死力を振り絞っている。

 辻監督は「みんな1点差、同点で行ってしんどい思いをして、ここっていうところで踏ん張ってくれている。負担をかけてしまっているけども、最後の4イニングが勝因でしょうね」と逆転CS進出の生命線となるブルペン陣に感謝の言葉を重ねる。

 プロ8年目で初のセーブ王に手を掛けている守護神・増田は「ボクの前に投げている投手陣がいい流れで繋いできてくれているので、その流れで投げさせてもらっている。森脇だったり宮川が投げ方のアドバイスを求めてきたら自分のある引き出しの中から教えてあげたりしている。逆にボクももらうし、(普段は)仲良く、ゲームになったら集中してやれていると思う」と柔らかくブルペンをまとめている。

 チーム打率(リーグ5位)、同得点(同4位)ともに下位に沈む〝打てない西武〟がこの位置にいるのは、疑いの余地なくリーグ最強ブルペン陣の結束の賜物である。

 2020年シーズンの覇者・ソフトバンクへの挑戦権獲得をかける残り5試合の戦い方も、迷いなくこの強みをいかに生かすかだけを考えたものになっていく西武だ。