第94回選抜高校野球大会への出場を辞退した京都国際(京都)の小牧憲継監督が18日、大会本部を通じて談話を発表した。チームに帯同する13人が新型コロナに集団感染。開幕前日に辞退に追い込まれた無念を語り、ナインの心中を思いやった。

 小牧監督のコメントは以下の通り。

「17日18時半からの大会本部の記者会見を待ち、まずキャプテンの辻井(心・捕手)と副キャプテンの森下(瑠大)に一人ずつ出場辞退について話をした。この春にすべてをかけてきたというか、何が何でも優勝と頑張ってきた。辻井は複雑な顔をしていたが、「キャプテンなんやから、みんなを夏に向けて奮い立たせてほしい」と伝えたら、納得はしてくれた。森下は初め「えっ」と驚いた表情を見せたが、話しているうちに納得してくれた。彼は「去年より大きく成長した姿を見せられる」と、そういうのをエネルギーに変えられる子ですから、とても楽しみにしてきたと思う。だが、すぐに「夏に向けて頑張りたい」と切り替えてくれた。他の選手にも宿舎のホテルで、陰性の子だけを集めて伝えた。「あまりにも新型コロナ陽性者が多いということで、申し訳ないが辞退することにした」と。本当は対面もよくないのかもしれませんが、距離を取って伝えた。みんなあまりピンときていないというか、あ然としているという表情。「えっ」というような。下級生中心にうまく飲み込めていないようだった。陽性の子にはその後電話で伝えた。子供たちが本当に頑張ってきた姿を見てきたので、心苦しかった。子供たちになんて伝えたらいいんだろうと。野球をさせてもらえるのが当たり前ではないと気づかされた。みんなを集めてミーティングもできないですからね。寮の消毒の関係でみんないったん自宅に戻すことになりました。きょう(18日)京都に戻り、(対戦校の)長崎日大と(代わりに出場する)近江の監督に謝罪しました。「ご迷惑をおかけしました」と。本気で日本一を目指して頑張ってきたので残念。ただ、軽々しく夏に向けて頑張ろうとは言えない。すべてこの春勝ち切るためにやってきた。そんなに簡単に切り替えられないですよね。ただ、現実は受け止めなければならない。ここからは子供たち一人一人のケアが大事だと思っている。電話などでしっかり連絡したい。それと、高野連の方々が最後まで再検査を提案してくれたり、何とか出させてあげようと最後まで調整してくれたりした。本当に感謝したい」。