【日本一早い!2021センバツ出場32校大予想】ラガーさん「連合の富山北部・水橋が21世紀枠のダークホース」

2020年11月18日 06時15分

ラガーさん
ラガーさん

 コロナ禍が再々拡大の様相を呈する中、2021年のセンバツは果たしてどうなるのか。今年は春夏甲子園が史上初の中止。さらには秋の神宮大会も中止となった。例年1校が与えられる「神宮枠」の行方は不透明とはいえ、来春センバツ出場の参考となる全試合が終了し、各地方高野連による46校の21世紀枠推薦校も出揃った。2年ぶりの大会開催を願いつつ、今年も「甲子園のラガーさん」こと善養寺隆一氏(54)と本紙記者が、一般出場枠から21世紀枠に至るまで全32校の完全予想を紙上で繰り広げた。

 記者:今年もよろしくお願いします。まずは一般枠から。北海道1枠は北海、東北2枠は仙台育英(宮城)、柴田(宮城)で決まりですかね。

 善養寺氏(以下、ラガー):そうだね。このあたりは順当に決まるはず。柴田は東北大会決勝で仙台育英に1―18と大敗したけれど準V。エースの谷木亮太(2年)が決勝で1週間500球以内の球数制限にかかってしまい、わずか19球しか投げられなかったことも大敗した理由の一つだから悪い印象にはならない。

 記者:柴田は東北地区全体での一般候補に加え、21世紀枠でも宮城高野連から選出され〝ダブル候補〟になっています。やっぱり悩みどころは6枠ある関東・東京でしょうか。

 ラガー:そうそう。これは毎年、悩みの種だよ。関東は大会Vの健大高崎(群馬)、準Vの常総学院(茨城)、ベスト4の東海大甲府(山梨)、専大松戸(千葉)の4校は当確。東京大会で優勝した東海大菅生も確定だ。問題は東京か、関東かの〝比較1枠〟とされている6枠目だけど、これは日大三(東京)かな。決勝はスコアだけ見ると1―6で菅生に抑え込まれた感もあるとはいえ、実際のところ7回に4点を入れられるまでは接戦だったからね。そこは評価されるべき。得点力不足は気になるものの守備力がいいチームだよ。

 記者:東海2枠は連覇の中京大中京(愛知)と鍛治舎監督となって4年目を迎える県岐阜商(岐阜)、北信越2枠はVの敦賀気比(福井)、準Vの上田西(長野)でそれぞれ決まりと見ていいですね。さて近畿の6枠ですが…。

 ラガー:そこなんだよねえ。優勝の智弁学園(奈良)と準Vの大阪桐蔭(大阪)、ベスト4の市立和歌山(和歌山)、京都国際(京都)は当確ランプがつくけれど、あとの2校がどうなるかだね。そのうちの1つ、ベスト8に残った神戸国際(兵庫)は有力かな。準決勝では京都国際にいきなり序盤で0―6とされながらも、あきらめずに5点を返し、終わってみれば1点差の惜敗。大会全体を振り返ってみても試合内容が良く、甲子園はお膝元という地域性のプラス材料もあるので選出濃厚とみている。残り1枠は県大会1位の龍谷大平安(京都)。ポテンシャルがそれほど高くはないけれども、準々決勝では優勝校の智弁学園相手に競り合うなど試合内容は評価されている。同じベスト8の天理(奈良)の存在も悩むところだけれど、準々決勝で大阪桐蔭にコールド負けしたのはやっぱり印象面で良くないかもしれない。天理にはドラフト上位候補の193センチ右腕・達孝太(2年)がいるから、注目度は相当高いんだけどね。

 記者:ちなみにその天理・達も含め、来年のドラフト上位候補には最速150キロをマークする〝金のタマゴ〟の高校生投手たちがズラリ揃っているんですよね。

 ラガー:〝センバツ当確候補〟の中にも畔柳亨丞(中京大中京)と小園健太(市立和歌山)、そして左腕・松浦慶斗(大阪桐蔭)がいる。この3人は「150キロトリオ」として来年センバツの三羽ガラスになる可能性が高いよね。

 記者:いつも議論の的となる中国・四国の5枠目もいきましょうか。中国は広島新庄(広島)と下関国際(山口)、四国も明徳義塾(高知)と聖カタリナ(愛媛)で両地区とも決勝の2校はそれぞれ当確ですね。

 ラガー:そうだね。残り1枠は決勝の負け方と地域性で判断し、中国ベスト4の鳥取城北(鳥取)だろう。四国ベスト4の小松(愛媛)も遜色なさそうだけれど、すでに愛媛からは1校当確になっているしね。一方、九州4枠は2020年無敗王者の大崎(長崎)、準V・福岡大大濠(福岡)、ベスト4の明豊(大分)、宮崎商(宮崎)だね。ここはもうスンナリ決まるだろう。

 記者:最後に大きな難関と言っていい、21世紀枠について。大会中止で宙に浮いた〝神宮枠〟をどう扱うかについては高野連で近々に議論されるとのことですが、その1枠は21世紀枠に加えられ、来年はいつもの3枠から特例で4校に増えると仮定してみました。そう踏まえてズバリ、どう見ていますか。

 ラガー:すでに21世紀枠候補の学校が各地域から発表されているけれど、その中でも山田(大阪)は選ばれそうだね。1984年創設の公立校でグラウンドも狭く、内野ノックしかできない環境下ながら大阪大会の3位決定戦で履正社を2―1で破った。大会では上宮、大阪産業大付、浪速と甲子園出場校にも勝ち〝小が大を制す〟の理論からすると選考理由としては申し分ない。2校目は九州大会でベスト8に残った具志川商(沖縄)。秋季沖縄県大会では強豪・興南に勝った末に初の決勝進出を果たして準Vに輝き、春秋通じて初の九州大会出場も遂げた。俊足を生かす攻撃が持ち味のチームで高野連好み。沖縄から21世紀枠へ選ばれれば話題性も集まるしね。

 記者 なるほど…。残る2枠はどうなりそうですか。

 ラガー:難しいところだけれど、1校は公立の石橋(栃木)を推したいね。秋の関東大会では東海大相模(神奈川)にコールド負けしているとはいえ、秋の県大会であの作新学院(栃木)にも勝って準Vに輝いている。偏差値も65以上ある文武両道の進学校という点も評価ポイントだろう。それからダークホース的な見解かもしれないけど富山北部・水橋(富山)も僕はあえて「有力候補」と言いたいね。県立高の再編統合に伴って2022年3月に閉校する水橋の2年生2人と、統合先の富山北部の16人が一緒に戦っている。県勢では初めて連合チームとして出場した北信越大会は1回戦でV校の敦賀気比に0―5で敗れたものの、富山県大会は持ち前の全員野球で準決勝にまで上り詰めた。このチームは少子化問題に直面する日本の現況を映し出している上に、皆で力を合わせて困難を乗り越えていくという姿勢もコロナ禍にあえぐ我々日本人に必要なものを兼ね備えている。まさに今の時代にぴったりだと僕は思う。

 記者:来年1月末に予定されているセンバツの選考委員会が楽しみですね。とにかく来年こそは甲子園に球音が響きわたることを願いたいです。

☆ぜんようじ・りゅういち=1966年8月13日生まれ、東京都豊島区出身。小学校から野球を始め、中学時代はライトでレギュラーとして活躍。都立文京高校進学後、選手生活に別れを告げ野球マニアの道に進む。高校卒業後、父が営む印刷会社に就職。99年から春のセンバツ、夏の選手権大会全試合を甲子園のネット裏最前列で観戦。黄色い帽子とラガーシャツから「甲子園のラガーさん」と呼ばれ親しまれる。168センチ、75キロ。左投げ左打ち。

ピックアップ