投高打低の時代はついに終わるのか――。阪神は23日のDeNA戦(横浜)が悪天候のため中止に。午後2時30分という早いタイミングで中止が決定したため、佐藤ら主力ナインは心身の疲労を考慮され、球場に姿を現すことなく帰阪の途に就くこととなった。
敵地でのDeNA2連戦は合計23失点と自慢の投手陣が決壊し2連敗。中継ぎ陣の再整備に悩む虎のチーム防御率はセ・5位の3・40まで悪化した。昨季の阪神のチーム防御率は同トップの2・21。12球団屈指のピッチャーズパーク・甲子園をホームにする虎のディフェンス陣だが、今年は苦しい春を余儀なくされている。
この日、雨が降り続けるグラウンドを眺めながら藤川球児監督(45)は約70分もの長きにわたり報道陣の取材に応対。一連の野球談議の中で「野球の傾向自体も今年は少し違うので」とポツリと漏らした。「いつの時代もそういう(投打の)追いかけ合いはありますしね」と具体的な見解を示すことは極力避けたが、アナリストによる解析の発達や、対戦打者に応じた守備シフトの浸透など、野球競技そのものの変質を示唆した。
セ・リーグ全体の平均打率やOPSも昨季と比較して上昇傾向にある。開幕から1か月弱ということもありサンプル数は少ないが、それでも「春は投手有利」と言われる球界内において、昨季はリーグ内に2人しかいなかった3割打者が、現時点で7人もいる状況は特筆すべき事柄だろう。
「長く続いた投高打低の時代は間もなく終わる。NPBの投手レベルの向上に打者が追いつく時代が来る」と昨季開幕前から本紙で〝予言〟していた評論家の伊勢孝夫氏も「今季ここまでのゲームを見ていて思ったのは、NPBのバッターたちのレベルアップ。阪神・佐藤輝の昨季以降の進化がまさに象徴的だが、逆方向へ打球を打ち返す技術が全体的に向上している」と語る。
ヤクルト、近鉄などで計30シーズンもの長きにわたり打撃コーチを務めた名伯楽も、変化の兆しを感じる春。新たな環境に適応できたチーム、プレーヤーのみが過酷な生存競争を勝ち抜くこととなる。












