白星が出ても、闇は晴れなかった。メッツは22日(日本時間23日)、本拠地シティ・フィールドでツインズに3―2で競り勝ち、ようやく12連敗を止めた。だが、米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」が突きつけたのは〝反転の兆し〟ではなく、勝ってもなお救いが見えないという冷徹な現実だった。
同記事は、連敗ストップの一戦ですら「祝うべきことはほとんどなかった」という論調でメッツを酷評。実際、クレイ・ホームズ投手(33)が7回を投げて踏ん張り、8回にマーク・ビエントス内野手(26)が勝ち越し打を放っても、試合後の空気は高揚より安堵に近かった。フアン・ソト外野手(27)が右ふくらはぎ痛から復帰した一方で、フランシスコ・リンドール内野手(32)が左ふくらはぎの張りで途中交代。ルーク・ウィーバー投手(32)が最後を締め、2週間ぶりの白星を拾っても主力の離脱不安が新たな火種となった。
しかも、これで一気に流れが変わると見る材料も乏しい。打線も連敗中12試合でわずか22得点と沈黙が続き、22日終了時点で8勝16敗のナ・リーグ東地区最下位タイ。勝利が再浮上の号砲ではなく、延命措置にしか見えないのが今のメッツだ。
その閉塞感は、千賀滉大投手(33)にも重くのしかかる。千賀は今季4試合で0勝3敗、防御率8・83と誤算続き。しかも契約は5年総額7500万ドル(約119億6000万円)で、今季も来季も総額1500万ドル(約23億9300万円)を計上する大型案件だ。球界内では、来年まで残る高額年俸がトレードの障害になり、このまま戦力にならなければ「メジャー枠を空費するくらいなら、整理もやむなし」との厳しい声まで聞こえ始めているという。
メッツは1勝で悪夢を止めた。だが「ON SI」がえぐった通り、希望の光はまだ差していない。むしろ千賀を含めた高額契約の重圧まで膨らみ始めた今、クイーンズの地にあるのは再建への青写真ではなく、どこから崩れるか分からない危うい足場だけだ。












