ドジャース・大谷翔平投手(31)がとんだ〝延焼被害〟に見舞われている。投打二刀流でプレーする上でのいわゆる「大谷ルール」を巡り、ライバル球団の現役監督が物言いをつけたことで小さな火種が瞬く間に大炎上。米メディアも巻き込んだ応酬に発展し、本人のあずかり知らないところで新たな遺恨が生まれかねない事態となっている。
世界的スーパースターに静寂の時はない。唐突に大谷の二刀流登録を巡って火柱が上がった。
米スポーツ専門サイト「アスレチック」が20日(日本時間21日)に伝えたもので、カブスのクレイグ・カウンセル監督(55)が「ある1チームに限って、両方の役割を兼ねる選手を1人抱えることが許され、その選手には特別な配慮がなされています。これはおそらく最も奇妙なルールでしょう。たった1つのチームのために」と二刀流ルールを批判。具体名こそ口にしなかったものの、投打の両面で大谷をフル稼働させているドジャースを指していることは明らかだった。
小さな火種は前日からくすぶっていた。レッズでGMも務めたジム・ボーデン氏が19日(同20日)に「そろそろMLBは『大谷ルール』の一面を見直し、ドジャースが投手1人を追加登録できる特例を廃止すべき時だと思う」と自身のXに突如投稿。MLBでは8月末まで投手登録が13人に限られるが、二刀流の大谷は別枠でドジャースは実質的に14人の投手運用が可能となっている。
ボーデン氏は「彼が投球した後もDHとして試合に残ることは構わないが、私はロースター上の優遇措置は不公平だと思う」ともつづっていた。これを端緒にカウンセル監督の発言も引き出されたとみられる。ただ、現場の指揮官が他球団の起用法に不満を漏らしたとなれば、穏やかではいられない。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(53)はカウンセル監督の発言を受け、地元放送局「スポーツネット LA」などの前で「我々に大谷がいることでルール上、恩恵を受けていることは確か」と認めた上で「他のチームも彼のように二刀流をできる選手を見つけてくればいい」と〝応戦〟する事態となった。
現状、二刀流のルールを活用できるのは大谷が所属するドジャースだけ。その唯一無二の戦力を手にするために10年総額7億ドル(約1015億円=当時)もの莫大な資金を投じた。今後、二刀流選手が羽ばたける土壌をつくるものでもあるが、〝ドジャースびいき〟と受け取られている現実もある。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は「今年のカブスは投手陣が故障に悩まされ、今回の不満の発端はそこにあるようだ。しかし、ドジャースが有利だと言うことは不公平だ。その優位性は二刀流選手を擁するチームにある。今回のケースでは、その恩恵をドジャースが受けている」と報道。カウンセル監督の発言は〝お門違い〟だと伝えた。
現状で大谷のような二刀流戦士は見つからない。「クラッチポインツ」は「大谷が二刀流という役割を再定義し続ける限り、競技バランスを巡る議論が収まることはないだろう」と紛糾の長期化を予想。騒動を着火させたカウンセル監督率いるカブスには今永、大谷と同学年の鈴木も在籍する。両指揮官が散らした火花がグラウンドにまで飛び火しなければいいが…。













