名門の未来を託されたはずの男が、ついに「後継者」の座から引きずり降ろされた。ヤンキースは3日(日本時間4日)、本拠地ヤンキースタジアムで行われたカージナルス戦に7―13で敗れた直後、アンソニー・ボルピ内野手(25)を傘下3Aスクラントン・ウィルクスバリへ降格させたと発表した。ボルペはこの試合に出場せず、前日のカブス戦でも先発メンバーから外れていた。ヤンキース元主将で内野手として活躍したデレク・ジーター氏(52)の後継者と期待された生え抜きに下された非情通告が、ニューヨークを揺らしている。
米メディア「ヘビー」によると、球団は公式Xでボルピを含む投手、内野手、外野手の計3人を3Aへ降格させたと公表。ボルピは今季56試合で打率2割4分、41安打、1本塁打、19打点、20得点、7盗塁にとどまっていた。メジャー4年目を迎えながら攻撃面で殻を破れず、球団はついに大なたを振るった。
ただし、ボルピの3A降格は今季初めてではない。左肩手術からの復帰過程にあった5月にも一度マイナー行きを命じられ、同12日(同13日)に再昇格していた。それでも与えられた再挑戦の場で結果を残し切れず、約3か月後に再び降格。今回は球団トップ級の有望株ジョージ・ロンバード・ジュニア内野手(21)をメジャー初昇格させる見通しで、単なる調整ではなく、将来の主役交代をにらんだ決断との見方が広がっている。
2019年ドラフト1巡目でヤンキース入りしたボルペは、2023年にメジャーデビュー。新人ながらゴールドグラブ賞を獲得し、若きホープとして、長年チームの象徴だったジーター氏の正統後継者とまで呼ばれた。しかし、メジャー通算打率は2割2分4厘。今季も直近30試合で打率2割1分6厘、長打率2割6分1厘と低迷し、看板と実績の落差は広がる一方だった。
今回の決定にはSNSでも波紋が拡大。「2023年にヤンキースファンにそう言ったらどうなるか想像してみて」と、当時の期待値からは考えられない転落を嘆く声が上がった。一方で「有望株をどのように扱ってはいけないかという教科書的な例」と、実績が伴わない段階から球団の未来を背負わせ、苦戦しても起用し続けたヤンキース側の育成方針を厳しく批判する意見も出ている。
ア・リーグ東地区で、首位レイズを追うヤンキースに悠長な時間はない。結果を出せない元エリート候補より、勢いのある若手を選ぶ勝負手に踏み切った形だ。ジーター後継者の看板を外されたボルペは3Aからはい上がれるのか。それとも名門での主役の座は、このまま新世代へ明け渡されるのか。再起への猶予は、決して長くなさそうだ。












