阪神は29日のヤクルト戦(神宮)に2―0で勝利し一夜にして首位の座にカムバック。先発・高橋が3安打無四死球で燕打線をシャットアウトし、早くも今季3つ目の完封勝利をマークした。
防御率0・27と圧倒的な数字をマークする左腕によって窮地を救われた格好だが、藤川阪神の周辺には今、不穏な空気が漂っている。チーム不動のリードオフマン・近本は26日の広島戦(甲子園)で左手首に死球を受け骨折。長期離脱は避けられない状況になっている。
さらに前夜28日のカード第1戦(神宮)では中野、森下も自打球を足に当てて途中交代。幸いにも両者とも大事には至らなかったが「主力打者3人が同時離脱」という悪夢すら一時は脳裏をよぎった。
春季キャンプ中にはリリーフエースの石井が左アキレス腱の断裂という大けがを負い、今季中の復帰は絶望的な状況に。昨季MVP級の活躍をしたセットアッパーの不在はここまでのブルペン運用にも大きな影を落としている。
昨季は故障者の少なさが独走優勝を支えたが、今季は開幕前から次々と主力にアクシデントが襲いかかる。球団関係者も「甲子園に戻ったら、ウチも盛り塩でもした方がええんちゃうか…」と苦笑いを浮かべた。
笑い話と切り捨てるには早い。清めの塩の効力は、今季に限って言えば抜群の結果を出している。他球団に先駆けて、今季最初にそのパワーにすがったのはこの日の対戦相手でもあるヤクルト。主力に故障が相次いだことを受け、池山監督自らが春季キャンプ地・浦添のグラウンドに塩をまいた時は「やっていることが非科学的で前時代的すぎる」と周囲の失笑も買った。だが、いざシーズンが始まると一時は「最下位確定」とまで評された低い下馬評を覆す快進撃を披露。虎とここまで首位争いを繰り広げている。
開幕から4勝17敗の大ズッコケスタートとなった中日も、24日に本拠地・バンテリンドームに盛り塩を設置すると、そこから4勝1敗と一気に上昇ムードへ突入。科学的根拠はさておき、流れを変えるきっかけにはなるのかもしれない。次に清めの塩へ手を伸ばすのは、果たして虎か。勝負の世界、データで割れぬ流れなら、最後は神頼みもまた作戦である。












