WBC日本代表は3日に阪神と最後の強化試合(京セラ)を行い、5―4で逃げ切った。大谷翔平(31=ドジャース)は2打数無安打でお役御免。あとは微調整を経て6日の台湾代表との1次ラウンド初戦(東京ドーム)を待つばかりとなったが、大谷が移動する先々ではフィーバーが発生。それでも大きなトラブルに巻き込まれない〝奇跡〟に、海外から称賛を受けている。
大谷は前日2日の2番からドジャースでも定位置の1番に打順が変わり、結果は一ゴロ、二ゴロで終了。出場した2試合で計5打数無安打と快音を響かせられなかったが、WBC開幕を前に実戦感覚を養った。
侍ジャパンは1次ラウンドの舞台となる東京に移動し、最終調整に入る。日に日に代表チームへの関心が高まる中、スーパースター・大谷の一挙手一投足には世界が注目。中でも侍ジャパンの一行が名古屋から大阪に移った1日の新幹線移動を巡って、海外メディアなどから「不慮の事故が起きなくてよかった」「日本の民度の高さを感じた」といった声が寄せられている。
日常生活の中に大谷が突然目の前に現れれば、パニック状態に陥るのも当然だろう。名古屋駅や新大阪駅のホームなどには動線を確保するためのテープが張られ、その外側には人、人、人…。駅員や警察官の姿もあり、規制線越しに多くのファンや一般人がスマートフォンのカメラを向ける様子がSNSなどで拡散された。
大谷には警護も付いていたが、侍ナインの安全な移動を誘導する関係者の無駄のない動きもあり、目立ったトラブルは聞こえてこなかった。〝神移動〟ともいえるシーンは「大谷フィーバー」の過熱ぶりを伝える格好の場にもなったが、海外メディアの視点や反応は違った。
「以前、日本でもあったと思うが、過剰なファンとの接触で選手に不慮の事故が起きなくてよかった。駅での移動シーンを見ていても、日本の民度の高さを感じた。道を遮られた一般利用者もマナーがいい。改めて日本人は優しいなと感じた」。そう明かしたのはWBCを取材するため来日している台湾の記者で、強引なサインの要求や接触行為もなく、倫理的に行動する日本人をたたえた。
かつて、中日時代の松坂大輔がファンとの交流の際に不運にも右腕を引かれて、肩に違和感を発症した事案は記憶に新しい。先日、台湾ではメジャー経験豊富なスチュアート・フェアチャイルド外野手(29=ガーディアンズ傘下)が代表合宿に参加するため現地入りした際、サインをねだるファンに取り囲まれる事態が起きて物議を醸した。
日本と同じC組で激突するライバルチームを取材する外国メディアの間からも「新幹線移動は駅での警護が大変だが、選手の移動の負担軽減を考えるとベスト。ただ、利用者の多い主要駅ではトラブルのリスクは極めて高い。それでも選択できるのが日本のマナーの素晴らしさ」という声もあった。
今後も大谷や侍戦士の出現とともにクローズアップされるであろう移動シーン。さまざまな切り口で、世界の目が向けられている。












