その決断は吉と出るか――。WBC連覇を目指す野球日本代表は3日に大会前最後の強化試合となる阪神戦(京セラ)に臨んだ。
この日、井端監督は1番に大谷翔平(31=ドジャース)を起用。注目の2番に近藤健介外野手(32=ソフトバンク)を並べるオーダーを採用した。近藤は大谷の前後を打てる唯一無二の存在。2日のオリックス戦では1番で起用され、宮崎の壮行試合から4戦連続無安打に終わっていた。
試合前、近藤の表情には葛藤が色濃くにじんでいた。「あと1試合しかない」。その言葉の真相は、プレーボール直後に判明した。ヒザを曲げる旧来の打撃フォームへの大転換だった。「高めの速い球を捉える確率を上げたい。今年はこれでいく」とスタンス幅を狭め、目線を高くした新フォームへの移行を、WBC開幕直前になって一時中断。その決断に事の重大さがにじんでいた。
NPBでも投手の高速化が進み、WBCでは米国代表スキーンズら名だたる速球派と対戦するイメージを膨らませていた。一度は「これでいく」と決めた新仕様の打撃フォームを一度手放すのには、大きな葛藤があったはず。舞台裏では、この日を迎えるまでにフォーム変更を思い悩む姿があった。
主軸の大谷がいくら孤軍奮闘しようとも、打線のつながりが生まれなければ勝つことは難しい。大谷の前と後ろを担える近藤は、文字通り攻撃陣のキーマン。だからこそ大会直前の「大転換」は、侍ジャパンの命運を左右する決断と言っても過言ではない。
近藤はこの日、第2打席で中前適時打を放ち、続く第3打席でも中前へクリーンヒット。試合後は表情を引き締め「今、チームに一番貢献できる選択をした。この方向性でいこうと思う」と語り、WBC開幕を見据えた。
重圧がかかる大谷の後を打つ2番打者としての適性を改めて示した近藤。方針転換の成否が、侍ジャパン連覇の鍵を握っていることは間違いない。













