3人の怪物が、ナ・リーグの空気を一変させている。サイ・ヤング(CY)賞争いは、もはや本命1人を追う構図ではなくなってきた。
ドジャースの大谷翔平投手(31)は3日(日本時間4日)、フェニックスで行われたダイヤモンドバックス戦に先発し、6回2安打無失点、6奪三振の快投で7―0の勝利に貢献した。今季10度目の先発で6勝2敗、防御率0・74、61回、67奪三振、WHIP0・79。チーム試合数に対する規定投球回には1イニング届かず、正式な防御率ランキングにはまだ乗らないが、内容だけなら争いの中心にいても不思議はない。
その同じ夜、フィリーズのクリストファー・サンチェス投手(29)も本拠地でパドレス戦に先発した。7回にメリルの適時打を浴び、連続無失点は50回2/3でストップ。それでもフィリーズの球団記録を塗り替え、メジャー歴代5位に入る歴史的快投だった。ドジャースの名投手オレル・ハーシュハイザーが1988年に樹立したメジャー記録59回には8回1/3届かなかったが、7回4安打1失点、8奪三振1四球で3―2の勝利を呼び込んだ。今季は13試合で7勝2敗、防御率1・46、86回1/3、103奪三振、WHIP1・09。記録は途切れても、サイ・ヤング賞最有力の座が簡単に揺らぐ数字ではない。
そこに割って入るのがブリュワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー投手(24)だ。今季12試合で6勝2敗、防御率1・65、71回、108奪三振、WHIP0・79。5月は6先発で38回1/3を投げ、防御率0・23、57奪三振という異次元の月間成績を残し、一気に賞レースの顔となった。
米スポーツ専門局ESPNの「Sports Center」でも大谷、サンチェスの投球が取り上げられ、ここにミジオロウスキーを加えたナ・リーグのサイ・ヤング賞争いが「MLB史上空前の3つ巴」となる可能性に言及された。大谷についてはこれまで「投球回数が足りない」と見る向きが強かった。しかし、米紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」は、サンチェスとミジオロウスキーを上回るには「特別なことが必要」としながらも「大谷ならそれをやれる」と示唆した。
無失点記録を築いた左腕、剛速球で三振を量産する新星、そして打席にも立つ二刀流。牙城は高い。それでも大谷がこの投球を続ければ、米メディアの評価はさらに塗り替わる。ナ・リーグのCY賞レースは、静かに熱を帯び始めている。












